リクナビNEXTの新着求人をなんとなく流して見ていたら、こんな求人が載っていました。あまり批判するとあとが怖いけど、でも、この求人は良くないと思うなぁ。
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※写真の部分は人物が写っていたので塗りつぶしています
問題はキャッチコピーを含めた冒頭部分。
飲食からの転職で、給与↑休日↑充実度↑
人間関係も良く、接客好きが活きています。
接客が大好きで、
新卒で様々な店舗や施設を運営する企業に入社したものの、
カフェのキッチン配属で目標が見えず、
朝から終電間際まで働くような大変さもあり、半年で退職。
いかがでしょう。
飲食業界とリクルートトップパートナーの営業職とを比較して、転職してよかったと言う内容が書かれています。
なんだか飲食業界が低くいわれているような印象を受けませんかね。いち掲載企業が応募効果をあげるために、多少過激なもの言いをしてしまうことは、まぁあるのかもしれません。でも、メディアを運営する側のリクルート自らがこれをやってしまうのは、ちょっと見栄えが悪いんじゃないでしょうか。
たしかに、比較表現自体は禁止されていません。でも、根拠は示さなければいけないし、仮に比較するだけの充分な客観的データが示されていたとしても、リクルート関係の募集でこの表現はマズイと思いますよ。だって、リクルートはここで批判したような飲食業界、カフェの募集だってリクナビNEXTに載せているでしょう。
掲載している企業が、この求人を見たらどうするつもりなのか。お金を払って求人を載せてみたら、同じサイト内に飲食業を低く言っている、しかもリクルート関係の求人広告が掲載されているなんて、悪い冗談です。
たしかに、飲食業界はブラックな体質の会社が多いと言われているし、労働時間が長いのも休みが少ないのもよく言われることです。でも、事実はどうあれ、よその会社や特定の業界を引き合いに出して、自社の優位性を伝えるのは、好感度を下げる悪手だと思うんですよねー。
なぜ、わざわざ飲食業界を引き合いにだしたのか
飲食、カフェと名指しせずに、素直に「転職して、給与↑休日↑充実度↑」と書けば良いのに、なぜあえて、こんな危険な表現をするのか。
接客業経験者の方は対人コミュニケーション能力の高い方が多いので、営業に教育しやすいという実務的な事情でしょうね。飲食業界から人を引っこ抜くために、「あえて」狙った表現をしたのだと思います。
ただ、こんな戦略を取らざるを得ない背景には、求人広告の営業自体がそもそも相当ブラック労働なので、分かりやすく勝てる比較相手が飲食業界くらいしかなかったこともあるんじゃないでしょうか。ただ正直言って、人材系の方々の働き方を知る者としては、どの口が言うか(人材業界もブラックじゃないか)、という印象を受けたのも事実です。
個人的に、人材業界は、エネルギッシュな方が多いところとか、勉強熱心な方が多いところとか、フランクな組織風土とか、人は選びますが見る角度によっては魅力のある業界だと感じています。
広告にかかれたエピソードが事実だとしても、表現は別の手段を選択すべきでしたね。魅力を伝える言い回しは、他にいくらでもありますから。