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 カーター米国防長官は3日、従来は女性の配属を禁じてきた部隊を含め、米軍の全職種に女性の配属を認める方針を発表した。ただ、地上戦闘の前線でも「男女の機会均等」を進めるとの考えには、野党・共和党内に難色を示す声もある。今回の米軍の決定は、女性の配置を一部禁じている自衛隊にも影響を与えそうだ。

 「本日、国防総省は女性に対して、戦闘任務も含む、軍の職種の残り10%を開放する歴史的な一歩を踏み出した」。オバマ大統領は同日の声明で、軍における女性の活躍の場が職種の9割にまで拡大したものの、特殊部隊や空挺(くうてい)部隊、偵察部隊など残りの職種に女性が就くことが許されていなかったことを念頭に、今回の全面解禁の意義を強調。「我々が米軍で差別をなくせば、米軍はさらに強力になる」とも述べた。

 カーター長官も3日の会見で、「(女性の)才能を制限するような障壁はもはや許されない」とし、「基準を満たし、国に仕えようとする誰に対しても、完全かつ対等な機会が与えられるべきだ」と機会均等を徹底する考えを示し、来年4月までにこれまで女性の配置を禁じてきた特殊部隊や歩兵、機甲、空挺(くうてい)などの各部隊で門戸開放するとした。

 一方、カーター氏は「機会の平等は男女同数にすることでない」とも述べ、戦闘任務に必要な高い身体基準を満たす女性は少数にとどまるとの見方も示した。

 だが、この決定には米国内でも、もろ手をあげて賛成というわけではない。カーター氏は会見で、海兵隊から歩兵部隊などでは女性解禁を見合わせるよう要望があったことも明らかにし、この日の会見には海兵隊出身のダンフォード統合参謀本部議長の姿はなかった。