イチニッサンでゲームが変わってはや20余年。12月3日、ソニー・コンピュータエンタテインメントが恒例のプレイステーション・アワードを開催しました。PSプラットフォームの作品を売上げと人気投票で表彰するPlayStation Awardsも今年で21回目。
過去の受賞作を辿ってみれば、初代PSやPS2時代には連発していたダブル・トリプルプラチナ(200万、300万本)作品はめっきり数が減り、最近はプラチナ該当作がない年すら平常の時代が続いてきました。
PS4が発売二年で3000万台を達成するなど絶好調が伝えられるいま、はたしてプラチナ・ゴールド作品の顔ぶれはどうなるか、プレーヤーの熱烈な支持を受けたユーザーズチョイスはどれか、結果を速報でお伝えします。
メインプレゼンターはSCEJAプレジデント盛田氏。日本アジア地域におけるPSの責任者です。
音楽はPSブランディングテーマのサカモト教授アレンジ、生演奏で開始。謎の黒尽くめ装束にトロフィーを被った奇っ怪な扮装で生ピアノを披露してくれます。
ユーザーズチョイス
投票で決定するユーザーズチョイスは、日本とアジアでそれぞれ上位5作。メタルギア ソリッド V ファントム・ペイン (コナミデジタルエンタテインメント)
GTA V (Rockstar)
Bloodborne (SCE)
The Witcher III (CD Projekt RED / スパイク・チュンソフト)
ドラゴンクエスト ヒーローズ(スクエア・エニックス)
ユーザーズチョイス アジア部門は
Witcher III
GTA V
MGSV (コナミ)
龍が如く 0 誓いの場所 (セガ)
Bloodborne (SCE)
ドラクエの堀井さんと、龍が如くのヤク......名越さんが何故か取り違えてアナウンスされるハプニング。 GTAが受賞したロックスター関係者は「ご都合が悪かったため」誰も現れず、「後日トロフィーをお送りいたします」。
アジア特別賞
(新設、アジア圏のビジネスに貢献した3作品。プレゼンターはSCEJA織田さん)
Witcher III
GTA V
FF X /X-II HDリマスター
ウィッチャーIII開発のトップ Adam Badowski氏「いわゆる西洋スタイルのRPGがこれほどアジアで受け入れられたことは実に嬉しい。ありがとうございます。」。FFは「最終幻想」としてアジアで初のフルローカライズで好調であったことからの受賞です。
PlayStation Network Award
こちらも新設のPSN Award (日本アジア合算、ネットワーク売り上げ上位3タイトル)Minecraft (Mojang)
PSO2 (セガゲームズ)
FF XIV (スクエア・エニックス)
PSO2はおなじみ酒井氏「このような賞をいただき本当にありがとうございます。3年以上更新を続けるスタッフ、プレーヤー、SCEに感謝。PS4のサービスとEP4アップデートを控えている。一緒に盛り上げて、またここに立てるよう、皆さまに新鮮な驚きを与えたい。」
FFXIVディレクター吉田氏「酒井さんとコメントがほとんどかぶってどうしよう(笑い)。開発陣、SCE、なによりPS3, PS4で遊んでくれているプレーヤーのみなさん。もりあげてくださるみなさんあっての受賞。たまにマイナス修正をしなければならないが、皆さまと歩むゲームでいたい」
MinecraftのメーカーMojang (マイクロソフト傘下)からは、「本日ご都合が悪く」誰も現れず。
ゴールドプライズ
(累計出荷・販売数50万を超えたもの。日本とアジアリージョン合算、複数プラットフォーム合算)
GOD EATER 2 レイジバースト (BNE)
バンダイナムコエンタテインメント富澤氏(GEシリーズ プロデューサー)、バンダイナムコスタジオ吉村氏。
前作に続いて賞をもらえて嬉しい。チャレンジもした作品。初めてアジア向けにも同時開発発売。大きく支持をいただけた。もうひとつはPS Vita とPS4の同時展開。結果、あらためて賞をかみしめている。ゴッドイーター5周年で、2発売にアニメ放送と、さまざまな取組をしてきた。やはり思うのは熱いユーザーの支えがあったこと。6年目、10年目と続けてゆきたい。(富澤)
GEシリーズは爽快なアクションを、作品を重ねるにつれ新しいチャレンジをしてきた。レイジバーストでは最初は新機軸が受け入れてもらうのが難しく、ご批判も受けた。いまはこのように支持していただけてうれしい。本当にありがとうございます。これからの挑戦を続けるタイトルとして開発を続けます。(吉村)
ONE PIECE 海賊無双3 (バンダイナムコエンターテインメント / コーエーテクモ)
GTA V (ロックスター)
「GTA V、本日4つめの受賞です!残念ながらご都合がつかないとのことですが(......)」(司会カビラさん)
龍が如く ZERO 誓いの場所
Bloodborne (SCE)
開発したフロムの宮崎ディレクター「売り上げ関係の賞には縁がなく緊張しています。〜いつものことなんですが、作ってゆくうちに暗くて売りにくそうになってしまったという反省があった。買ってくださった、売ってくださったかたに感謝。このような場所に立つことがあるとは思わなかった。本当に嬉しいです。」
プラチナプライズ(100万枚超)
MGSV ファントム・ペイン
予測されたことながら、メタルギアといえば、の小島カントクは現れず。広報宣伝本部長・米田氏はこのような場には力不足で大変恐縮、と前置きしつつ、ユーザーの支持、SCE、販売店、メディアの皆さまに感謝。制作者の熱い思いと情熱がいっぱい詰まっております。ぜひ何百時間でも。まだ買っていない人はぜひ!とアピール。
Minecraft
Mojangからは誰も出席せず。「今回は出席、成らなかったということですけども、ぜひ次回には」(司会カビラさん)
DQ ヒーローズ
堀井雄二さん、シブサワコウさん揃い踏み。
「どうも、ゲームデザイナーの堀井です。栄えある賞をいただきありがとうございます。実は10年ぶりです。8のときからもう10年経ったなと。登場人物が喋る挑戦的作品。100万人以上に遊んでもらい感謝の気持ちでいっぱい。来年は30周年。これを機会にシリーズを遊んでくれれば」(堀井)
「一緒に作った作品がこう賞をいただけてうれしい。オメガフォースの全力で作った作品が評価されてうれしいと思っている。次回は2をオメガフォースの全力で作っている。ぜひよろしく。本日はありがとうございました」(シブサワコウ氏)
21年目のPS Awardを振り返れば、かつてプラチナ該当が「なし」であったり、PSPのモンハンとその再販だけが入り続ける年月から、ようやく新たな世代の収穫期が始まった印象です。プラチナ・ゴールドがちゃんと並ぶ表彰は、前世代の反省とライバルの自滅で据え置き機一人勝ちといわれるプレイステーション4にふさわしい華やかなものになりました。
とはいえ、戦国時代でいえば殿様と、平伏して褒美を受ける武将の論功行賞にあたるこのアワードで、複数の賞を獲得しつつ「ご都合により」誰ひとり受け取りに来なかったメーカー、またPSプラットフォーム最大の貢献者の一人でありPS愛に溢れたあの人の姿が見えなかったのは印象的。据え置き機の立場がまるで変わってしまったこの時代に、今後のPSプラットフォームがPS2時代の存在感を再び取り戻せるのか、コンソール業界もまだまだ面白くなりそうです。
総評としては、「ご都合」の内情は分からないものの、買収後もマルチプラットフォーム展開を明言したのだから、Mojang幹部が難しいなら日本マイクロソフトからでも誰か受賞しにくればよかったのにMinecraft、でしょうか。