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 小惑星探査機「はやぶさ2」が3日午後7時すぎ、地球に最接近した。地球の引力を使って軌道を変える「地球スイングバイ」により、目的地の小惑星リュウグウに向かう。地球に近づく姿をとらえようと、各地の天文台などが観測を試みている。

 はやぶさ2は、ちょうど1年前の昨年12月3日に打ち上げられた。2010年に地球に試料を持ち帰った初代のはやぶさに続き、小惑星の探査と試料採取を通じて生命の起源に迫るのが目的。これまでは、地球が太陽の周りを回るのと同じような軌道を進んでいた。

 「スイングバイ」は、少ない燃料で効率よく目的地に向かう航法。探査機が地球に近づくと、引力と太陽の周りを回る動きに引っ張られて加速し、向きも変わる。はやぶさ2は、11月26日までに事前の軌道調整に成功し、3日午後7時すぎに太平洋の高度3090キロまで接近。火星と地球の間で太陽を回っているリュウグウに近い軌道に入る。

 はやぶさ2は18年6~7月にリュウグウに到着、1年半の探査や観測の後、20年末に地球に戻る。