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患者紹介、贈賄側から依頼 名城病院汚職、両容疑者が供述

 国家公務員共済組合連合会名城病院(名古屋市中区)の人工透析患者の紹介をめぐる汚職事件で、収賄の疑いで逮捕された医長赤沢貴洋(きよひろ)容疑者(41)に対し、贈賄側とされる医師で医療法人「光寿会」(同市西区)の実質経営者多和田英夫容疑者(64)が、患者を継続的に紹介してもらう見返りに現金を渡すことを持ち掛けたとの趣旨の供述を、両者がしていることが、捜査関係者への取材で分かった。

 県警は、多和田容疑者が患者1人当たり10万円を提示するなど、一連の現金授受を主導した疑いがあるとみて、裏付けを進める。

 捜査関係者によると、透析治療が専門の赤沢、多和田両容疑者は2004年1月ごろ、会合などを通じ知り合った。多和田容疑者は赤沢容疑者に、非番の日は光寿会傘下の診療所で非常勤のアルバイトをするよう勧誘。赤沢容疑者は05年夏以降は月に数日、日当数万円で勤務していた。

 多和田容疑者は、県警の調べに「透析患者は治療が長期にわたる。以前は名城病院から患者を受け入れていなかったので、紹介を受ければ利益を得られると思った」と供述している。

 一方、赤沢容疑者の銀行口座には2月27日〜10月27日、アルバイトの勤務実態のない月も、光寿会側から入金記録があったことが判明した。県警は患者の紹介に対する見返りだったことを示す証拠とみて捜査する。勤務実態のあった月は、アルバイト代に紛れ込ませる形で、賄賂を振り込んでいたという。

 県警は3日午前、赤沢容疑者が腎・糖尿病内科の医長として勤務していた名城病院を家宅捜索。赤沢、多和田両容疑者を送検した。

 逮捕容疑では、赤沢容疑者は名城病院で自分が治療して、引き続き人工透析が必要な県内の患者8人を光寿会が運営する病院や診療所に転院させる見返りとして、多和田容疑者から5回にわたり計約60万円の振り込みを受けたとされる。2人は容疑を認めている。

 国家公務員共済組合連合会が運営する名城病院の医師は、みなし公務員。赤沢容疑者は「車のローンや洋服代、趣味のアマチュアバンドの活動で金が必要だった」と供述している。

(中日新聞)

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