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 東京都練馬区の小泉純二区議(64)=自民=が11月30日にあった区議会の一般質問で、同性カップルを結婚に準じる関係と公的に認める「パートナーシップ証明書」を交付する渋谷区の条例について、「伝統的価値観でもある男らしさ、女らしさ、男女による結婚を尊重し、祝福する日本社会の価値観を否定する」と発言していたことが、朝日新聞の取材でわかった。

 小泉区議は結婚を「次の世代を産み育てる関係」とし、「同性のカップルから子どもは生まれない」などと述べた。さらに、条例が学校教育などでLGBTへの理解を深めると定めたことについて「子どもたちの価値観をも混乱に落としかねない」と続けた。

 練馬区側は「現実的な施策の効果が不明である」などと答弁し、区で同様の取り組みをする考えはない、との見解を示した。

 区の戸谷英津子区議(52)=共産=は30日夜、自身のツイッターに小泉区議の発言について「びっくり仰天の質問」と書き込んだ。戸谷区議は「子どもを産めなければ結婚できないというのはLGBTの方々に限らず女性に対する攻撃でもある」と憤った。

 小泉区議は朝日新聞の取材に対し、「渋谷区の条例制定のプロセスと中身の問題点を指摘しただけで、LGBTの方々を批判したわけではない。夫婦としての法的身分の保障は条例ではなく、国民的議論をした上で法改正によってされるべきだ」と話した。(浦島千佳)