オウンドメディア最大の指標は新規ユーザー数!フェーズによって見るべき指標とは。株式会社ロックオン又座氏に聞いてみた
コンテンツマーケティングの1つの手法として、オウンドメディア構築が注目されています。
オウンドメディアとは、企業自らが保有するメディアを指し、自社のターゲットユーザーに向けて情報発信するためのプラットフォームです。
オウンドメディア構築に踏み出す企業はここ1,2年で急増していますが、何を成果指標とすればいいのかわからず、いまいち効果を感じられていない企業は多いのではないでしょうか。
結果として、立ち上げたのはいいものの取り組みをやめてしまう企業も多くなっています。
いったい、オウンドメディア運営において何を指標にすればいいのでしょうか?
今回は、オウンドメディアによるコンテンツマーケティング支援ツール「コンテンツエビス」の開発を手掛ける株式会社ロックオン監修の元、同社のマーケティング統括を務める又座氏のインタビューを軸にオウンドメディアで見るべき成果指標について解説します。
コンテンツマーケティングの隆盛と現状
近年、注目が集まっているコンテンツマーケティングとは、そのままの意味で捉えれば「コンテンツを軸としたマーケティング」を指します。
コンテンツには紙媒体、Web、TV、ラジオなど様々な種類がありますが、そのなかでも特にWeb界隈での注目度が高くなっています。
主な要因として、以下の2つが考えられます。
最も効果的な見込み顧客の獲得方法として、Web集客施策ではSEOとリスティング広告の2つがあげられます。
この2つが、従来の手法では通用しなくなってきたため、新たな手段としてコンテンツマーケティングが注目されています。
従来のSEO対策の衰退
2012年以前のSEOは、Google検索エンジンのアルゴリズムの隙を突いた手法(自作自演リンクや内容が支離滅裂な文章の寄せ集め(ワードサラダ)など)が効果的と言われており、Googleのガイドラインに反するような行為を行っていても対策キーワードでの上位表示は可能でした。
しかし、2012年にアルゴリズムが大幅に更新されたことで、そのような小手先のテクニックは効かなくなり、Googleが定めたガイドラインに沿うホームページが評価されるようになりました。
Googleは、ガイドラインの項目は多岐に渡りますが、全ては「ユーザーにとって使いやすく、有益なホームページ」が増えることを目的としています。
そのため、SEOを強化したいのであれば、ユーザーファーストを意識することと、ユーザーファーストの要素の中でも特に重視されているコンテンツを追求することが必須となっています。
顕在ニーズへのアプローチ手段の飽和
検索連動型広告であるリスティング広告は、ニーズが明確な検索ユーザーに対して効率的にアプローチできる手段として活用されてきました。
費用対効果がいいと言う事から、出稿企業が増え価格が高騰してきたり、そもそも母数が増えないため今以上にコストがかけることができないなど、そこだけで戦うのは難しくなってきています。
そういった企業は先んじてアドネットワークも活用しています。
しかし、ここでも同じことが起こっています。
そのなかで、ニーズが顕在化したユーザーだけでなく、潜在ニーズを持ったユーザーへのアプローチも必要だという認識が広まっています。
Web上でのコンテンツマーケティングでできることは?
それらの問題を踏まえて、Web上で行うコンテンツマーケティングにできることはなんでしょうか。
例えば、オウンドメディアの場合、顕在層へのアプローチも、即時的な成果は期待できません。
できるのは、潜在的なニーズを持つユーザーを広く取り込み、そこからブランドを認知していただき、顧客へと育成するという流れを生み出すことです。
「オウンドメディアは中長期的な取り組みだからすぐに売上にはつながらない」というのは様々なメディアで言われていることですが、すぐ売上につながらないのであれば、何をKPI(重要業績評価指標)とすればいいのでしょうか。
オウンドメディアを立ち上げたものの、適切な成果指標が分からず継続運用できていない企業は少なくありません。
潜在層へのアプローチを成功させるために、オウンドメディアをどのように運用すればいいのか、どのようにKPIを設定すればいいのかについて、株式会社ロックオンの又座氏にインタビューを行いました。
ロックオン又座氏 インタビュー
又座 加奈子氏
株式会社ロックオン マーケティングプラットフォーム事業統括 専務取締役
ほとんどの企業は本当の意味でのコンテンツマーケティングはできていない
飯髙:現在のマーケティングトレンドについて教えてください。
又座氏:
マーケティング施策は、顕在層向けから潜在層向けにシフトしています。
「コンテンツマーケティング」という言葉がバズワードになっているのもその流れだと思います。
アドエビス自身もコンテンツマーケティングの一環としてブログをやってるんですが、なんのためにやっているかというと、新規を取りたいんですよね。
そこからリマケーテイング広告で追いかけて、コンバージョンに繋げていくという顧客を育成する流れを作りたいんです。
オウンドメディアに流入させ、リマーケティング広告で追いかけてSEMでコンバージョンさせる、そのストーリーを描きたいんです。
だからこそコンテンツマーケティングの役割って「新規獲得」になってくるんですが、世の中のコンテンツマーケティングをやられている担当者様はここを理解されているのか、というのは気になっています。コンテンツマーケティングを「やって」と言われたからやっているだけになっていないかなと。
コンテンツエビスを販売する時もそこからの啓蒙というか、「何のためにコンテンツマーケティングやってるんだっけ?」というところを考え直してもらうところからスタートしますね。
オウンドメディアで重視するべきは「新規ユーザー」
飯髙:オウンドメディア運営してる企業って、PVばかり見てるなって思います。本当にそれで得たいことができるのかと疑っちゃいます。
又座氏:
そうなんです。大概のWeb担当者はGoogleアナリティクスで、ブログ全体のPVを見るだけですよね。ページ単位で見られることもほぼ無いです。
そしてどのような施策をやっているかというと、頑張って記事書いているというところがほとんど。
最初は大事だと思うんですよ。コンテンツのボリュームやPVが無いとメディアの意味ないですから。
記事数やPVはファーストステップとしては重要なんですが、ある程度ボリューム出たら、改めて考えなおしてほしいのは「PV伸ばしたらどうなるのか、PV伸ばすのが本質的な価値なんだっけ」というところです。
オウンドメディアに求めることは、いかに新規顧客を連れてこれるかというところです。
新規で流入したユーザーをリマーケティング広告で追いかけて、そこからSEMで潜在顧客から顕在顧客にしてコンバージョンさせる。
このストーリーが描けるような優良なお客様はどこにいるのか、そのお客様を集められる記事はどのような内容なのかを考えていことが重要です。
特に企業としてオウンドメディアを運用しているなら、新規をつれてくるのはもちろんですが、本質的な成果に結びつかないとダメです。
成果につながらないユーザーをいくらリマケで追いかけ回しても意味ないですから。
ただ、成果までの道のりは長いので、中間コンバージョンとしておくのが新規流入や読了率になってくるんですね。
飯髙:そうですね。ferretも最初はPVがないと意味がないということをふまえKPIとしてPVをもっていました。しかし、その中で一番コアにしていたのは、新規ユーザー割合です。いかに新しいユーザーに知ってもらい、そこから接点をもっていくかということを重要視しています。ただ正直、それぞれの指標でのスコアリングが大変です。
有益なコンテンツマーケティングを行うための「コンテンツエビス」
又座氏
コンテンツエビスの強みは、それら複数のコンバージョンポイントを1つのKPIとして見れるというところです。
コンバージョンポイントごとで見てもPDCAを回しにくいんです。
広告と一緒ですね。Web広告がスピーディーにPDCA回せるのって、CPA(コンバージョン1件あたりの広告コスト)というわかりやすい指標があるからなんですよ。
クリック数とかコンバージョン数だけで見るのではなくて、そこにコストという数値を与えてCPAを弾きだせるからバッサリと意志ジャッジができるんです。
KPIを1つにするのは、PDCAサイクルを早く回すうえでなくてはならないんです。そこができるのがコンテンツエビスの一番の強みですね。
先ほど飯髙さんがお話していた通り、それぞれのKPIのスコアリングってExcelでやろうと思えばできますが、本当にめんどくさい作業です。
コンテンツエビスでは、各コンバージョンポイントに重み付けをしてスコアリングし、結果の数値を統合して1つの指標としてまとめることができます。
置かれているフェーズによって見るべき指標は変わる
飯髙:スコアの重み付けは、どのような基準で決められてるんでしょうか?
又座氏:
各オウンドメディアの状況によって異なりますね。ある程度こちらから提案させていただいて決めていく場合が多いです。
スコアリングは途中で変更することができます。
オウンドメディアの編集長の、「この記事は良い」とか「当たった」という肌感覚は大体間違っていないので、その感覚と相違ないスコアリングが合ってているかどうか微調整することもできます。
飯髙:だいたいの感覚はあたるのですが、違うKPIのスコアでみるとよくないなという時ってあります。つまり、フェーズによってちゃんと見るべき指標を決めることって重要ですね。例えば、立ち上げ当初はSNSでの拡散スコアとトラフィック数、一定数字とれたら新規ユーザー数と回遊してるかなどの満足度という風に。
又座氏:
そうです。
立ち上げ時期はPVで良いし、その次は新規を重視して、その次は本当に読まれているものはなんだっけという段階になったり、思考ってどんどん変わっていくと思うんですよ。だからこそスコアリングは変えられるようにしています。
「コンテンツマーケティング」ってバズワードで終わりそうみたいな危惧もされていますが、コンテンツ施策なしにどうやってWebで数字を上げていくのかというところまできてます。
今、結構手詰まりなんですよ。顕在層向けの施策はどんどん価格が高騰していますし、DSPも既に飽和状態ですし。
そこから更に新規を取りに行くためには、コンテンツマーケティングによる潜在顧客へのアプローチが不可欠です。
成果につながるオウンドメディア運営を支えるコンテンツエビスとは?
又座氏が語るように、オウンドメディアはPV、訪問数といったように、単一の指標だけを追っていては適切な評価を下すことは難しいでしょう。
コンテンツエビスでは、オウンドメディア運営において評価するべきポイントを以下の5つに定義しています。
- 1.流入評価(新規ユーザー数とPV数)
- 2.読了評価(記事を最後まで読んだユーザーはどれだけいるのか)
- 3.共感評価(「もっと読む」や資料ダウンロード、他記事への遷移など記事内のアクション)
- 4.拡散評価(ソーシャル拡散ボタンのクリック数)
- 5.成果評価(Web上のコンバージョンにどれだけ寄与しているか)
記事ごとに5つの評価ポイントをスコアリングし、それらを1つにまとめて評価できるプラットフォームがコンテンツエビスです。
コンテンツエビスのメリット
本当に価値を生み出している記事の傾向がわかる
一般的に、記事の良し悪しはPVやSNSシェア数で判断されがちですが、「PVは多いけど読了率が低い」「拡散されているけれど成果評価が低い」というように、見られてはいるもののターゲットユーザーのニーズに応えられていない可能性もあります。
コンテンツエビスでは、その曖昧な部分を明確に算出できるため、本当に価値を生み出している記事はどれなのか、ターゲットユーザーに響いている記事はどのような傾向にあるのかが把握できます。
感覚値ではなく明確な数値で記事を評価できるため、記事作成者のモチベーションコントロールにも寄与するでしょう。
オウンドメディアのフェーズに合わせて運用できる
PVだけ見ていてもコンバージョンには繋がりにくく、かといって流入の少ない初期段階からコンバージョン数だけを見ていても意味がありません。
立ち上げ時は流入数を重視し、ある程度流入が増えたら読了数を見る、メディアが育っていって最終的にはコンバージョンを重視する、というように、オウンドメディアは置かれているフェーズによって重視する指標を変えていくべきです。
コンテンツエビスは各指標のスコアリングの重み付けを変更できるため、フェーズに合わせた柔軟な運用が可能です。
コンテンツエビスについての資料請求、お問い合わせに関して
お問い合わせ、資料請求は無料です。
オウンドメディアやコンテンツマーケティングの計測がわからない、しっかりスコアリングして評価したいという方は、気軽に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。