開発が続くマレーシアの首都クアラルンプール。同国は2013年から低所得層に現金給付を実施している(ブルームバーグ)【拡大】
マレーシアは、政府の低所得層支援策をめぐる議論が活発化している。地場ネット金融情報会社アイ・マネーが行った調査で、政府が実施する現金給付制度「BR1M」の受給資格者の9割が給付金では生活コストの上昇がまかなえないと回答した。4月に導入した消費税への不満も重なり話題となっている。現地紙デーリー・エクスプレスなどが報じた。
同社の調査は、10月5~15日に全国2000人以上の消費者に対してインターネットを通じた聞き取り形式で行われた。調査結果によると、BR1M受給資格者のうち、93%が現行の給付額では生活コストの上昇をカバーできないと回答した。
また、65%が4月に導入した消費税(税率6%)で家計に「深刻な打撃」を受けたと答えたほか、80%が消費税の税率を引き下げるべきだとの回答を寄せた。さらに、政府は生活必需品の価格規制の内容を見直すべきだとの回答も68%に上っており、消費税が生活を圧迫していると考える消費者が多数に上ることが分かった。
アイ・マネー幹部は、世界経済の減速や通貨リンギット安、補助金の削減なども生活費上昇の要因になっていると分析。「調査結果からマレーシアの消費者が生活費の上昇に苦しんでおり、その要因が消費税にあると考えていることが浮き彫りになった」としている。
BR1Mは、13年に低所得世帯の救済を目的に導入され、初年は520万世帯に26億リンギット(現レートで約748億2800万円)が支給された。その後、14年に49億リンギット、15年に56億リンギット(推定値)と増加が続いてきた。15年の年間支給額は、世帯月収3000リンギット以下の世帯が950リンギット、同3001~4000リンギットの世帯が750リンギット、21歳以上の単身者で月収2000リンギット以下の世帯が350リンギットとなっている。