ハヤカワの国内作家作品がセール中
※本エントリーの内容は2015年11月28日現在のものです。
早川書房創立70周年を記念して、各電子書籍ストアで早川書房の国内作家作品約400冊が半額セール中です。Amazonでは半額+更に20%ポイント還元あり、またその他電書ストアでもさらなる値引きセールを展開。ハヤカワの本って少しお高いイメージがあるので、こういうセールは見逃せない。セール期間はストアによっても異なりますが、大体12/3~12/4ぐらいまであるようです。
そこでオススメしたい野尻抱介「ふわふわの泉」
せっかくのセール、とりあえず安いから何か読みたいけど、400冊もあるのでどれを選んでいいかわからない…。そんなあなた、特にSF作品をご希望ならば、野尻抱介「ふわふわの泉」をオススメします。こちらは第33回星雲賞(国内のSF文学賞)を受賞した作品。もともとはファミ通文庫から出版され、のち絶版となっていたものが、2012年ハヤカワ文庫から再販された作品です。
ふとしたアクシデントからダイヤモンドより硬くて空気より軽い物質「ふわふわ」を産みだした高校二年生・朝倉泉と一年生・保科昶(あきら)。彼らは金儲けのために「ふわふわ社」を起ち上げ、あれよあれよというまに大企業に。そして「ふわふわ」の可能性はやがて彼らを宇宙へ…といったあらすじ。ライトでお気楽、それでいて本格的なSF小説。これはホントにおもしろい!特にSFがちょっと苦手、という方に手にとっていただきたい作品。科学的な知識も豊富に描かれますがそれは決して堅苦しくなく、むしろ本作の魅力は泉たちの軽妙な会話。テンポ良く一気にラストまで読めるでしょう。
「ふわふわの泉」がおもしろかったら
そしてもう少しハードなSFを読みたい、と思われたなら、さらに次の野尻抱介作品2つをオススメします。
「太陽の簒奪者」
水星から突如ふきあげられた鉱物資源が太陽をとりまくリングを形成。日照の激減により人類は破滅的な危機を迎える。異星文明へのあこがれを持つ日本人科学者・白石亜紀は宇宙艦ファランクスに乗船し破壊ミッションへと旅立つ…というSF長編小説。地球の危機と異文明とのファーストコンタクトをSFの定番テーマを描いた、手に汗握るSFです。こちらも結構な科学知識が描かれますが、ストーリーメインで追っても充分楽しめるでしょう。
「沈黙のフライバイ」
こちらは短編集。地球外文明との「静かなるファーストコンタクト」を描いた表題作「沈黙のフライバイ」ほか、「轍(わだち)の先にあるもの」「片道切符」「ゆりかごから墓場まで」「大風呂敷と蜘蛛の糸」の計5編を収録しています。「大風呂敷と蜘蛛の糸」は女子大生がふとしたきっかけから有人巨大凧に乗り、高度80kmを目指すお話。どことなく「ふわふわの泉」に通ずるワクワクを感じます。広大な宇宙へのあこがれを抱かずにはいられない一冊。 短編がお好きな方に。
今回のセールで買った小説
最後に今回のセールで私が買った小説など。
「時砂の王」「第六大陸」でおなじみ小川一水氏の時間SF長編。
「蝶」「倒立する等の殺人」の作者・皆川博子氏による美と悪と愛の黙示録。ダークな雰囲気に期待。
最後、野尻抱介氏の「ロケットガール」シリーズ。1~4まで一気買い。タイトルがちょっとアレですが(笑)、野尻作品ということで間違いはないでしょう。
ということで以前から気になっていた作品を買ってみました。寒い季節、お家でゴロゴロしながら読書三昧…できたらいいですね(笑)。
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