「dマガジン」急成長と出版社の戦略
「dマガジン」というのは、NTTドコモが提供するスマホ向け電子雑誌の定額読み放題サービスのこと。開始1年半で会員数は250万超となり、出版社も「読者の目に触れる機会が増えるなら」と相次いで同サービスに参加、当初は約70誌からスタートして現在、160誌以上となっているという。
「出版界唯一の専門紙 新文化」11月19日の記事から。
読まれているのは圧倒的に週刊誌の記事だそうだ。今年のある月のアクセスランキングを見ると媒体ユニークユーザーとページユニークユーザーを足した総合ベスト10は次のようになるそうだ。
1位 「FRIDAY」(講談社)
2位 「FLASH」(光文社)
3位 「週刊ポスト」(小学館)
4位 「週刊プレイボーイ」(集英社)
5位 「週刊現代」(講談社)
6位 「週刊SPA!」(扶桑社)
7位 「女性セブン」(小学館)
8位 「週刊女性」(主婦と生活社)
9位 「週刊文春」(文藝春秋社)
10位 「an・an」(マガジンハウス)
つまり、芸能人のスキャンダルなどを伝える週刊誌が上位にきている。
マガジンハウス営業部の小西文子課長によれば
『(dマガジンは)テレビを見ている感じに近くて、じっくりとは読まれない』
というのも、まあ、週刊誌の記事が上位にくるという理由なんだろう。
紙版の週刊誌に比べるとdマガジンへの誌面露出量は光文社で50%の他は、概ね7~8割だという。つまり一種の「立ち読み」みたいな読まれ方で、面白いのは男性が女性誌を、女性が男性誌を読んでいるケースが多く見られるということだ。まあ、店頭だとそういうケースは他の人の目もあることからあまり見られないケースなのだが、そこはdマガジンならではということなのかも知れない。それと同じようなケースが電子版の雑誌にも見られるそうなので、やはりそれは同じような感じなんだろうな。
現状では各社ともdマガジンは「紙版購入へのきっかけ」(マガジンハウス)、「あくまでも紙版、電子版のためのプロモーション」(光文社)という捉え方である。つまりやはり「立ち読みが紙の売上げにつながる」という発想なのだろう。
dマガジンのサービス責任者、NTTドコモの那須寛デジタルコンテンツサービス担当部長によれば
『基本的にdマガジンの読者は、紙版とは重複していないと認識しています。例えば女性誌のダイエット特集を男性が読むといったことがdマガジン上では起こっています。これは、ある種、dマガジンが読者の垣根を取り払っているともいえます。雑誌は男性誌、女性誌といったように明確にカテゴライズされていますが、そのブランディングを活かしていくことと、性別や年代などの垣根を越えて魅力的な記事との出会いを生み出していくことの双方によって、これまで雑誌コンテンツに触れる機会のなかった方々に、dマガジンを通してその機会を提供し続けていきたいと思います』
とのこと、やはりNTTドコモ側としてもdマガジンは紙版、電子版のプロモーションという位置づけなのだろう。
そういう意味では「週刊誌の後追いをテレビが行い、それをまた週刊誌がフォローする」という現在の週刊誌とテレビの関係論に近いものがある。まあ、「定額読み放題サービス」というのもやはり媒体的にはテレビに近いものがあるからなのだろう。
推定販売額が今年1月期が前年同月比11.6%減(1156億円)、2月期が同12.6%減(1267億円)、3月期が同16.2%減(1371億円)と続き9月まで9ヵ月連続で2桁減が続いているという週刊誌である。一方、2013年には77億円だったのが2014年には145億円とほぼ倍増している電子雑誌にとってdマガジンはそんな電子版への導入として欠かせないものになっているようだ。
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