【記者手帳】「セール疲れ」の韓国、店頭価格への信頼性が低下

【記者手帳】「セール疲れ」の韓国、店頭価格への信頼性が低下

 「今年は3日に1度の割合でセールしています。こんなにセールばかりしていて、セールでない時期に商品を買う人がいるでしょうか?」

 17日昼、ソウル・南大門の大手デパートに入る化粧品ショップで売り場マネジャー(31)が放った一言だ。その言葉通り、先月だけでも「コリア・グランドセール」「コリア・ブラックフライデー」などのセールが行われ、近く「Kセール・デー」も始まる予定だ。先週には大学修学能力試験(修能=日本のセンター試験に相当)の終了を祝うさまざまな割引イベントが開かれ、来月にはクリスマスセールも控えている。

 消費者にとって「セール」はうれしい言葉だが、問題は韓国で店頭価格に対する信頼が失墜していることだ。

 名前を変えただけのセールがひっきりなしに続き、「セール疲れ」も増している。大手デパートは毎年1、4、7、10、12月にセールを実施するが、それ以外の月も2月は旧正月、5月は「家庭の月」、9月は秋夕(中秋節)などを名目にさまざまな謝恩イベントを行っている。国内大手デパートの今年の「セール」日数は実に100日を超える。

 こうなると、セールは在庫処分のための割引ではなく、通常価格を高く設定しておいて安く売るふりをする朝三暮四(言葉たくみに人をだますこと)も同然だ。巷では「適正価格で買わない人はばか」という言葉さえ聞かれる。「安いものには安い理由があり、高いものは高いだけの理由がある」という、価格に対する信頼が根本から揺らいでいるのだ。

 実際に、韓国のデパートのセールでは、中国の光棍節(11月11日、独身者の日)や米国のブラックフライデー(感謝祭である11月第4木曜日翌日の金曜日)、英国のボクシングデー(クリスマス翌日)のような爆発的な売り上げの伸びがみられない。こうした海外のセールイベントでは90%オフなど破格の値引きも行われるが、韓国はセールが頻繁で割引率もそう高くないためだ。

 流通業界はセールの回数を減らし、ひとつひとつを大々的な充実したイベントにすることで、価格に対する信頼を取り戻すべきではないだろうか。現代の消費者たちは国内流通業界の頭上を飛び越え、世界中の通販サイトで安い商品を探し回っているのだ。

柳井(リュ・ジョン)産業1部記者
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