【11月10日 AFP】11歳になるアルバロ・ピネダ君は、5歳の時から家でチェスを楽しんできたが、今では学校の教室でもチェスに興じている。

 スペインの学校では、生徒が苦手な算数や読解の力を上げるためにチェスクラブを設置する動きが広がっており、チェスを必修科目にする学校も現れている。

 アルバロ君は首都マドリード(Madrid)北部にある学校のチェスクラブで「チェスをすると考える力がすごく上がるんだ。僕もかなり伸びたよ。チェス盤と全部の駒の位置に神経を集中させて、色んな動きについて先を読まなくちゃいけないから」と話した。アルバロ君によれば、これが記憶力の向上につながるという。

 経済協力開発機構(OECD)の調査によると、スペインの生徒の算数力と読解力は、他の先進国を常に下回った結果となっている。

■タイトル保持者によるクラス

 アルバロ君が通っているのはマドリード郊外トレスカントス(Tres Cantos)のアルデバラン(Aldebaran)小学校。チェスの授業を行っているのは地元のチェスクラブのタイトル保持者たちだ。チェス講師の一人、ハビエル・マルティネス・デ・ナバスクエス(Javier Martinez de Navascues)さん(24)の講座は実戦と理論に分かれていて「生徒に大人気の格好いいテクニックや『ネイル』、『エックス線攻撃』といった戦術」などを教えている。ナバスクエスさんによれば、普通の教師でも2~3週間の訓練を受ければチェスの授業ができるようになるという。

 一方、地元チェスクラブの代表、ダニエル・ヒル(Daniel Gil)さんの考えは違う。「講師はチェスのタイトル保持者の方がいい。教師は人に教える経験は持っているが、チェスの授業には特別の知識が必要だ。チェスは奥深い」と話した。