靖国分祀:15支部が賛同、反対4支部…福岡県遺族会調査
毎日新聞 2015年11月09日 22時00分(最終更新 11月09日 23時32分)
東条英機元首相らA級戦犯の靖国神社からの分祀(ぶんし)を提案している福岡県遺族連合会(古賀誠会長)は9日、各都道府県の遺族会のうち15支部が提案に賛同し、反対は4支部だったとする独自調査の結果を明らかにした。県連合会は「共感が広がっている」として実現に向けた関係者の働きかけを強めることにしている。日本遺族会全体の意思が分祀でまとまれば、「分祀は不可能」との立場の靖国神社にも影響を与えそうだ。
同日、福岡市であった県戦没者遺族大会で報告した。連合会によると、調査は今年1〜3月に実施し、福岡を除く46都道府県支部のうち、19支部が大会までに回答した。残りは無回答か、明確な意思表示をしなかった。それによると、提案に「全面的に賛成」は11支部▽「条件付き賛成」4支部▽「絶対反対」4支部−−だった。都道府県名を含む詳細は明らかにしなかった。
靖国神社は1978年、戦後の東京裁判でA級戦犯とされた14人を合祀(ごうし)した。一方、遺族会が望む天皇の参拝は75年を最後に途絶えている。
この日の大会で福岡県連合会は「昭和殉難者14柱(A級戦犯)がまつられたことにより大騒動が発生し、陛下のご参拝を阻害している」と指摘した。
大会に出席して報告を聞いた日本遺族会会長の水落敏栄参院議員は、事務所を通し「全国の支部でいろいろな意見があることを真摯(しんし)に受け止める。『分祀するかは靖国神社の問題である』という遺族会の見解は変わっていない」とコメントした。【門田陽介】