【寄稿】成長を後押しする研究開発、韓国政府は予算削減の撤回を

 韓国政府が先ごろ国会に提出した来年度(1-12月)予算案で、研究開発(R&D)予算は前年比1.6%削減された。これは国の将来を考えていない短絡的な予算編成と言わざるを得ない。韓国は今や世界トップ10に入る貿易国に成長したが、その過程において、政府や企業のR&D投資は天然資源や技術が不足した韓国経済を発展させる原動力の役割を果たした。

 国と企業の成長を後押しするR&D予算を削ることは、成長を放棄するに等しい。また、創造経済(産業と産業、文化と産業を融合させ付加価値や雇用、成長エンジンを生み出す経済政策)を土台に経済発展を狙う朴槿恵(パク・クネ)政権の政策にもそぐわない。韓国が日本などの技術大国だけでなく世界2位の経済大国に台頭した中国とも無限競争を繰り広げなければならない苦しい状況に置かれていることを踏まえ、R&D予算の削減を今すぐ撤回すべきだ。

 以前、ある日本人の大学教授は、韓国の一部製品が日本の製品よりも優れていることを認めながらも、技術力では韓国が日本に大きく劣ると指摘した。韓国の製造力は日本を上回るかもしれないが、技術力では日本に追いつくのは難しいとの見方だ。

 政府はR&D予算の削減を撤回し、国会は議員数を増やすことよりもR&D予算の増額が国の発展にはるかに緊要であることを認識して慎重に検討してほしい。R&Dを増やしてこそ国が繁栄し、国民も豊かになり、国会議員も自国に誇りを持てるに違いない。

チェ・ソンヨン・ソウル女子大名誉教授(経営学科)
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