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 国際陸上競技連盟の倫理委員会は6日、ラミン・ディアク前会長(セネガル)の息子で、国際陸連のコンサルタントを務めていたパパマッサタ・ディアク氏や、ロシア陸連のワレンチン・バラフニチェフ前会長ら4人に倫理規定違反の疑いがあると発表した。

 疑いがあるのは、2人に加え、ロシア陸連の長距離コーチのアレクセイ・メルニコフ氏と国際陸連のドーピング担当のフランス人医師ガブリエル・ドレ氏。4人は、ロンドン・マラソンで優勝経験のあるリリア・ショブホワ(ロシア)のドーピング違反を隠匿した疑惑があるという。昨年4月に2年間の資格停止処分を科されたショブホワは昨年12月、ドイツ公共放送ARDで「(ドーピング違反を見逃してもらって)ロンドン五輪に出るため、45万ユーロをロシア陸連に支払った」と証言している。

 倫理委員会から指名を受けた専門家による調査が終わり、8月に報告書が提出されていた。倫理委員会は12月に本人の弁明を聞いた上で、処分するかどうかの結論を下す。

 国際陸連は、ディアク前会長がフランス捜査当局からドーピング違反に絡む汚職の疑いで捜査を受けていることが明らかになったばかり。倫理委員会は世界反ドーピング機関(WADA)などから情報提供があれば、4人以外にもさらに調べる方針だ。(ロンドン=河野正樹)