11月06日 18時16分
住みやすい地域社会のための優れた取り組みを表彰する「あしたのまち・くらしづくり活動賞」の総務大臣賞に、外国人の住民にも開かれた自治会作りを進めている、埼玉県川口市の「芝園団地自治会」が選ばれました。
この賞は、まちおこしなどを支援する「あしたの日本を創る協会」やNHKなどが主催して、毎年、優れた取り組みを表彰しているものです。
このうち今年度の総務大臣賞には、川口市の「芝園団地自治会」が選ばれました。
昭和54年に建設された芝園団地にはおよそ2500世帯が入居していていますが、日本人と外国人の割合はほぼ半々となっています。
団地では、文化や習慣の違いから起きるトラブルを防ぐため、自治会が中心となって、ともに住みやすい環境を作ろうとさまざまな対策を講じています。
具体的には、団地の共有スペースのテーブルやベンチに書かれていた外国人を中傷する落書きを日本人と外国人の住民がいっしょに消して、そのあとに双方が、色とりどりの手型を押して友好のあかしとしました。
また、地域の商店街と協力して毎年国際交流のイベントを開き、国籍を問わず住民どうしが交流する場を設けるなどしていて、今回はこうした取り組みが評価されました。
芝園団地自治会の韮澤勝司さんは「活動が評価され、うれしく思います。外国人と共存しないとコミュニティーは成り立たなくなってきており、今後も活動を続けたい」と話しています。
このうち今年度の内閣官房長官賞には、東京・豊島区のNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」が選ばれました。
このNPOでは、経済的に苦しい母子家庭の親子や夜1人で過ごす子どもなどに夕食を提供する「子ども食堂」と、大学生から勉強を教わったり一緒に遊んだりできる「夜の児童館」を地域の人たちとともに運営しています。
今回の受賞では、都市部を中心に「子どもの貧困」が問題となる中、子どもの居場所づくりに取り組んだ実績が評価されました。
「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の栗林知絵子理事長は「地域がつながれば子どもたちのSOSをくみ取ることができ、さまざまなサポートにもつなげることが出来ると思う。今回の受賞を通じてこうした取り組みが全国に広がるきっかけになればうれしいです」と話しています。
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