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療養費詐欺容疑 暴力団幹部ら十数人の一部逮捕
11月6日 16時43分

療養費詐欺容疑 暴力団幹部ら十数人の一部逮捕
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暴力団幹部や東京の接骨院の元経営者らが、骨折した人たちなどの施術回数を水増しするなどのうその請求をして、療養費数十万円をだまし取った疑いがあるとして、警視庁は、詐欺の疑いで暴力団幹部ら十数人の逮捕状を取り、一部を逮捕しました。順次逮捕する方針で、警視庁は、だまし取った療養費が暴力団の資金源になっていたとみて捜査することにしています。
警視庁の調べによりますと、指定暴力団住吉会系の49歳の暴力団幹部や、東京・杉並区にある接骨院の元経営者ら十数人は、おととし4月までの1年9か月余りの間、交通事故で骨折などをして通院していた人たちの施術回数を水増しするなどの、うその請求をして、自治体や健康保険組合から療養費数十万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。
骨折や脱臼などの施術を行う接骨院では、病院での治療と同じように患者が窓口で自己負担分を払い、残りの療養費を国家資格を持った柔道整復師が患者の代わりに請求する委任制度があり、警視庁によりますと、暴力団幹部らはこの制度を悪用していたということです。
警視庁は、詐欺の疑いで暴力団幹部ら十数人の逮捕状を取り、このうち一部を逮捕しました。順次逮捕する方針で、だまし取った療養費が暴力団の資金源になっていたとみて捜査することにしています。

療養費と診療報酬の仕組み

「柔道整復療養費」は、国家資格を持った柔道整復師が接骨院などで骨折や脱臼などをした患者に施術を行った場合に支払われます。
療養費は、原則は患者が接骨院の窓口で全額を支払う仕組みですが、病院で治療を受けた場合と同じように、患者が窓口で自己負担分だけを支払い、残りを柔道整復師が患者に代わって自治体や健康保険組合に請求する、委任制度があります。
柔道整復師は、患者に署名をしてもらい、療養費の支給申請書に施術を行った回数などを記入して請求します。
警視庁によりますと、今回の事件では、この委任制度が悪用され、施術を行った回数が水増しされていたということです。
療養費を巡っては、全国で不正な請求が後を絶たず、厚生労働省が都道府県や健康保険組合に対し、申請書の内容と実際の施術内容が一致するかどうか、患者や接骨院に聞き取って確認するよう求めています。
一方、「診療報酬」は、病院や診療所などの医療機関に支払われる代金です。
病院や歯科医院の場合、「レセプト」と呼ばれる「診療報酬明細書」に患者の名前や保険に関する情報などを記入し、自治体や健康保険組合などに請求します。
診療の内容によって診療報酬の点数が決まっていて、医療機関にはこの点数に応じた金額が支払われます。

専門家「暴力団と接骨院で利害一致か」

療養費などの不正請求に詳しい東京医科歯科大学大学院の川渕孝一教授は、「暴力団と接骨院が共犯関係となって療養費の不正請求を行っていたとすれば驚きだ。接骨院の数が過剰な状況で、多くの患者を診なければ経営が成り立たない接骨院側と、ヤミ金などで多重債務者の保険情報を入手できる暴力団側の利害が一致したと考えられる」と指摘します。
そのうえで、「不正請求を防ぐために健康保険組合などによる審査は行われているが、その多くは書類に不備がないかなどをチェックする形式的なものにとどまっている。患者に自分が受けた診療記録の通知を徹底するなど、あらゆる角度から不正請求を防ぐ手だてを講じる必要がある」と話していました。

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