独メディア大手のAxel Springerによれば、同社が運営するニュースサイト「Bild.de」の読者に対して広告ブロック機能を拒否する取り組みが実を結びつつあるという。広告ブロックツールを使用するユーザーのうち3分の2が、同サイトを使い続けるために広告ブロック機能をオフにすることを受け入れている。
Axel Springerは3週間前、同社の人気タブロイド紙「Bild」のオンライン版にアクセスするユーザーに対し、広告ブロックツールを使っている場合は機能をオフにするか、月額料金を支払うかしなければ、サイトの利用を認めない方針を明らかにした。
同社のマシアス・ドフナーCEOは7〜9月期の広告収入増を報告した後の会見で、この試みについて「滑り出しは上々だ」と記者らに語った。
「こうした広告ブロックツールは業界の形勢を一変させるものにはならないだろうと私は楽観している」と同氏は続けている。
Axel Springerは最近、ニュースサイトのBusiness Insiderを買収したほか、政府系ニュースサイトPoliticoの欧州版にも出資している。広告ブロックツールは出版業界の主要な収入源である広告収入を脅かす存在であり、Axel Springerは欧州のパブリッシャーの中で率先してその対策に取り組んでいる。
オンライン広告をわずらわしく邪魔な存在ととらえるユーザーは少なくないが、アイルランドの調査会社PageFairがAdobeと共同で発表した調査報告によると、2015年に世界のメディア業界が広告ブロックによって被る損失は220億ドル近くにのぼるという。
ドイツでは、Webユーザーのほぼ3分の1が広告ブロックツールを使っているとみられており、他の国と比べて高い比率となっている。
ドフナー氏によれば、Axel Springerはユーザーに広告ブロック機能をオフにさせる試みに成功し、結果的にBild.deサイトへのアクセス数は300万件増えたという。2015年の1月から9月までの間、Bild.deのオンライン読者数は平均で29万人となっている。
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