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ロードバイクへの興味ゼロの人こそ知っておきたい! 自転車の安全対策&保険

(2015/11/6 06:00)

 自転車は、日本で最も身近な移動手段の1つ。近年は、健康や環境の観点からも注目を集めている。スポーツタイプの自転車(ロードバイクやクロスバイク)を街で見かける機会も大分増えた印象だ。

 その一方、スピードの出し過ぎや逆走、さらには信号無視など道路交通法に関する負の話題も増えてしまった。これ以上悪化する前になんとか食い止めようと、法規制の強化や有志団体によるマナーアップキャンペーンが進められている。今回は、自転車愛好家かどうかにかかわらず、誰もが知っておきたい自転車知識をまとめてみた。ご活用いただければ幸いだ。

「自転車運転者講習制度」のスタートから5カ月! 改めて確認する自転車ルール

 まずは、自転車関連の法律に関する最近のトピックから見ていこう。今年前半に話題を集めた「自転車運転者講習制度」だが、報道によればすでに受講者が出てしまったという。制度の概要とともに、基本の自転車ルールをここで振り返っておこう。

警察庁のサイトにある『自転車はルールを守って安全運転〜自転車は「車のなかま」〜』のページ

警視庁 自転車運転者講習制度

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/bicycle/kousyu.htm
 「自転車運転者講習制度」とは、信号無視や通行禁止違反など14種類の違反を切符で取り締まられたり、交通事故を起こした回数が3年以内に合計2回を超えた場合、公安委員会から安全講習の受講(要・手数料)を命令されるというもの。この命令に従わない場合は5万円の罰金が科される。

神奈川県警 自転車運転者講習制度について

http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0281.htm
http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0178.htm
 自転車運転者講習制度に関する基本的な解説に加え、制度が導入された背景などについても取り上げている。なお、神奈川県内での講習は、横浜市旭区の自動車運転免許試験場にて実施。日時は命令書に記載されるが、原則として月〜金曜日もしくは日曜。小テストやディスカッションが行われるという。別ページには自転車ルールについて詳しく解説するコーナーも。

警察庁 自転車はルールを守って安全運転〜自転車は「車のなかま」〜

http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/index.htm
 「自転車のルール全般を知りたい」という時は、警察庁によるこちらのページが便利。自転車事故の統計や「自転車安全利用五則」を掲載する。PDF形式のパンフレットやチラシも多いので、一度読んでおくといいだろう。

全日本交通安全協会 道路交通法の改正のポイント

http://www.jtsa.or.jp/new/koutsuhou-kaisei.html
 道路交通法全般の改正ポイントをまとめている。自転車に関するものとしては安全講習制度導入以外にも、自転車の走行を停止させてのブレーキ検査規定が2013年12月に施行済み。こちらも検査を拒否したり応急措置命令に違反すると5万円以下の罰金。

東京都交通安全協会 自転車に安全に乗るには

http://www.tou-an-kyo.or.jp/bicycle_safety/
 豊富なイラストとともに自転車ルールを解説。ここでも「自動車安全運転五則」をクローズアップしている。自転車のルールは複雑で難しいが、まずはこの「車道が原則、歩道は例外」「左側を通行」「歩道は歩行者優先、車道寄りを走行」「安全ルールを守る」「子供はヘルメット着用」を徹底したい。

JAF クルマ何でも質問箱 自転車で道交法違反をした場合は?

http://www.jaf.or.jp/qa/accident/responsibility/11.htm
 自動車のロードサービスでおなじみの団体だが、Q&Aのページで自転車にも触れている。このページでは特に罰則を解説。携帯電話や傘を差しての片手運転は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、酒気帯び運転にいたっては5年以下の懲役または100万円以下の罰金となる。

大阪府警察 自転車利用者対策について

https://www.police.pref.osaka.jp/03kotsu/kaisei/houkaisei05_1.html
 自転車は車道走行を原則とするが、交通弱者の保護を目的とした例外規定も用意されている。特に覚えておきたいのが「運転者が13歳未満の児童および幼児、70歳以上の者、身体障害者である場合」。この対象者であれば、自転車でも歩道を走行できる。もちろん、それでも歩行者への配慮はお忘れなきよう。

京都府警察 幼児2人同乗用自転車を安全に利用しましょう

http://www.pref.kyoto.jp/fukei/kotu/koki_k_t/jitensha/yoji.html
 1台の自転車に、運転者のほかに幼児を2人同乗させたい場合は、やはりルールが設けられている。基本的には「幼児2人同乗用自転車」が必須。1人を着座、1人をおんぶする場合でも同自転車でなければならない。

All About 3人乗り対応自転車って、何が違うの?

http://allabout.co.jp/gm/gc/374325/
 普通の自転車と幼児2人同乗用自転車はどこが具体的に違うのか? その点を具体的に解説している。基本的にはフレームや制動性能が幼児2人同乗を考慮したものに強化されているという。自転車協会による「BAAマーク」の有無が1つの目安になる。

目指せ、マナー向上! いろんなところが頑張ってます

 これほど身近な自転車が、人を傷つける凶器となってはいけない──。そんな危機感もあってか、自転車関連のメーカーや団体がルール遵守・マナー向上のためのキャンペーンを積極化させている。事故が増えれば、ゆくゆくは法律が強化される。窮屈な思いをするのは結局、自転車利用者になってしまう。自転車愛好家もそうでない人も、これをきっかけに意識を高めよう。

チームキープレフト

http://www.teamkeepleft.net/
 自転車の「左側通行の徹底」を訴える有志団体。2009年の活動開始からすでに7年目を迎えた。自転車関連ニュースの発信のほかに、有料会員向けの自転車保険の斡旋なども行う。なお、会の運営にはスポーツ自転車展示イベント「サイクルモード」の事務局が携わっている。

スマートサイクルライフ北九州 自転車のルール&マナー

http://smakita.jp/rules/
 北九州市の道路維持課が運営するウェブサイト。同市のサイクリング情報に加え、自転車のルールやマナーに関する情報を数多く掲載している。イラスト豊富で内容も分かりやすい。「こんな事故が起きています」のコーナーは、一度読んでおいて損はないだろう。

自転車協会 自転車ルール&マナー

http://www.bicycle-select.jp/rule/
 自転車の安全性認証基準である「BAA」マークを制定する一般社団法人。公式サイトとは別に、こちらの特設サイトを開設。安心して乗れる自転車の選び方や、道交法の注意点などを掲載している。

サイクルベースあさひ 自転車の法律と事故防止

http://www.cb-asahi.co.jp/html/anzen.html
 自転車販売店の大型チェーン。公式サイトでは、自転車関連の法律改正を特設ページにて解説している。安全運転コラムとあわせて読みたい。

OGK KABUTO

https://www.ogkkabuto.co.jp/childmet/gimu/gimu.html
 現在、幼児および13歳以下の児童には、自転車利用時のヘルメット着用努力義務が課されている。大阪を本拠とするヘルメットメーカーのOGK KABUTOでは、その背景や、正しいヘルメットの選び方などをウェブサイトで解説している。

デサント メッセンジャーに聞く、自転車通勤者が意外に知らないマナー

http://www.descente.co.jp/column/cycling_manners.html
 スポーツ用品メーカー「デサント」のウェブサイトに掲載されたコラム。初出は2013年6月とちょっと古いが、自転車便のライダー視点で自転車通勤マナーを解説するという珍しい内容。車道に出るときの後方安全確認は、ぜひ意識したい。

エシカル・サイクル・オーガニゼーション

http://ethicalcycle.jp/
 京都で建築や駐車場設計を手がける企業が、協賛会員とともに展開中のキャンペーン。マナー啓発イベントの開催に加え、人気の自転車マンガ「弱虫ペダル」とのコラボ企画も実施した。

自転車の安全利用促進委員会

http://jitensha-anzen.com/
 自転車関連の研究者やジャーナリストらで組織される委員会。ウェブサイトで多数のコンテンツを掲載中。クイズ形式で楽しめる安全運転診断のコーナーもあり。

チャリエンTOWN

http://www.chari-angels.com/
 福岡市が取り組んでいる「放置自転車ゼロ」キャンペーンのウェブサイト。福岡市に限らず、自転車の駅前放置は全国各地で問題になっている。このページを参考に、なぜ放置が問題なのかをじっくり考えてみよう。

自転車事故を起こしてしまったら……

 現実問題として、自転車事故は毎日のように起こっている。もし加害者になってしまったら? 賠償ってどうなるの? そんな疑問への答えが「保険」だ。弁護士事務所が事故事例などを掲載しているので、あわせてご紹介する。

日本サイクリング協会 交通ルールと保険

https://www.j-cycling.org/traffic/
 サイクリングの普及を目指している財団法人。公式サイトでは、道路交通法と保険に関する解説ページを設けている。また、団体自ら自転車保険の募集も行っている。

日本損害保険協会 自転車事故と保険

http://www.sonpo.or.jp/protection/jitensya/
 損害保険の業界団体。こちらのページでは、自転車事故にまつわるリスクを解説。自動車の事故には「自動車保険」があるが、対して自転車では「個人賠償責任保険」「傷害保険」で備えるのが一般的。とはいえ、自転車を専門とする保険も登場してきている。

三井住友海上 ネットde保険@さいくる

http://www.ms-ins.com/personal/kega/cycle/
 損保大手による自転車保険。賠償責任補償が最大1億円となるコースの年間保険料は4490円(本人型の場合)。家族全員をまるごと対象とするプランなどもある。

au損保

http://www.au-sonpo.co.jp/
 あいおいニッセイ同和損害保険とKDDIが出資する損保会社。旅行保険やペット保険と並んで、自転車保険を取り扱っている。自分が車両関連の事故で怪我を負う、あるいは自転車事故の加害者になってしまった場合などに保険金が出る。保険内容に応じて保険料が細かく分かれているが、最も安価なプランは月額370円から。

ちゃりぽ

http://charipo.net/
 自転車を専門とする保険サービス。事故の保険に加え、盗難保険も用意している。運営は、「生活救急車」のブランドで水回り関連の出張サービスなどを展開するジャパンベストレスキューシステムの子会社が行っている。

おとなの自動車保険 自転車傷害特約

http://www.ins-saison.co.jp/otona/compensate/other/bicycle.html
 自転車保険を単独で契約するのではなく、自動車保険の特約として契約する方法もある。こちらはセゾン自動車火災保険のケース。「自転車傷害特約」は被保険者自身が怪我をした場合の備え。事故で相手に怪我をさせたときの「個人賠償責任特約」とは別扱いなのでご注意を。

オリコン顧客満足度ランキング 自転車保険特集

http://life.oricon.co.jp/rank-bicycle-insurance/accident-response/expensive-compensation_case.html
 音楽ランキングなどでおなじみのオリコンだが、各種サービスの満足度調査を手がけている。こちらはその自転車保険版。保険の仕組みや事故事例に関するコラムも掲載中だ。

弁護士ドットコム 自転車事故

https://www.bengo4.com/c_2/c_1382/bbs/%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A+%E4%BA%8B%E6%95%85/
 弁護士が無料で法律相談に応じてくれるウェブサイト。自転車事故のページを設けており、これまでの相談結果がアーカイブされている。また、一般的な交通事故における慰謝料の相場などの話題も。

日比谷ステーション法律事務所 自転車事故

http://www.jitensya-jiko-sodan.com/
 東京都内の弁護士事務所による、自転車事故専門の特設サイト。宣伝的な内容ではあるが、事故にあった場合にどのような対処をすべきかの解説や、賠償関連の専門用語解説などが分かりやすくまとまっている。

ますます充実! 自転車のある生活

 最後に、自転車をより多彩に活用する・楽しむための情報をお届けしよう。定番のサイクリングを筆頭に、「自転車シェアリング」などのサービスも近年台頭しつつある。何もロードバイクに乗るだけが自転車ではない。自分なりのスタイルで自転車生活を模索してみてほしい。

ちよくる

http://docomo-cycle.jp/chiyoda/
http://www.d-bikeshare.com/
 近年広がりを見せているのが、都市部での自転車レンタルだ。駅前や公共施設周辺などに貸出拠点が複数用意されており、その間を自由に行き来できるのが特徴。「バイクシェアリング」などとも呼ばれる。「ちよくる」は東京都千代田区の例で、2017年3月までの実証実験という扱い。料金は30分150円から。実体的な運営はNTTドコモが行っており、同様の取り組みは横浜や仙台でも展開中。

COGICOGI SMART!

http://cogicogi.jp/
 渋谷・新宿を中心に15カ所の貸出拠点を構えるバイクシェアリングサービス。「1日会員」の料金は1500円。当日中は、1回1時間までの利用なら乗り放題。1時間を超える場合は、1時間あたり100円の延長料金が必要。

自転車産業振興協会

http://www.jbpi.or.jp/
 主に日曜日限定ながら、皇居周辺約3kmのコースを自転車専用に開放する取り組みを行っている。自転車の貸出は無料。補助輪付き幼児車の用意もある。雨天中止、かつ夕方の比較的早めの時間に終了するので、お出かけ前には確認を。

HIBIYA RIDE

http://hibiya-ride.jp/
 東京・日比谷にある、自転車通勤者向けサポート施設。自転車駐輪用ラック、着替え用ロッカー、シャワーなどが用意されている。ラックが利用できるプランは初期登録料1万円、月額1万5400円。

埼玉県警察 自転車通行空間MAP

http://www.police.pref.saitama.lg.jp/f0040/kotsu/jikobousi-jitensyasoukou.html
 近年、少しずつ増加しているのが公道における「自転車専用レーン」。車、自転車、歩行者の通行帯をより明確に分割することで、お互いの安全性向上に繋がるものと期待されている。こちらでは埼玉県における自転車専用レーンの整備状況がまとめられている。

SHIMAP(しまなみ海道観光マップ) サイクリング

http://www.go-shimanami.jp/cycling/
 瀬戸内海の島々を繋ぐ「しまなみ海道」には自転車専用道が設けられており、その景観、さらには全長70kmというコースの長さから、自転車ファンには有名なスポットだ。現地には乗り捨て対応のレンタルサイクルもあるので、自転車に興味がない人も1度行ってみては?

ポタ日和

http://www.potabiyori.com/
 埼玉県運営の自転車情報サイト。自転車を散歩感覚で楽しむ「ポタリング」のアイデアを多数掲載している。

自転車情報サイト

http://bicyclenet.jp/
 日本自転車普及協会など自転車関連7団体が発信するニュースを集約したポータルサイト。硬めの話題が多いが、イベントやサイクリングコース案内なども時折掲載されている。

CYCLE MODE international 2015

http://www.cyclemode.net/
 国内最大級のスポーツ自転車展示イベント。今年の開催は11月6日〜8日の3日間。各社の最新製品の展示に加え、試乗コースなどが用意される。入場料は当日券が1500円(1日あたり)。割安な前売りオンラインチケットもある。

(森田 秀一)

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