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東京・世田谷区も同性カップルに証明書始める
11月5日 16時47分

東京・世田谷区でも同性のカップルから宣誓書を受け付け、区がそれを証明する受領証を発行する取り組みを5日から始めました。
この取り組みは性的マイノリティーに対する差別をなくそうと始まったもので、同性のカップルがそれぞれを人生のパートナーとする宣誓書を世田谷区に提出すると、区からそれを証明する受領証が発行されます。初日の5日は7組のカップルが区の施設で宣誓書を提出し、このうち5組のカップルが保坂展人区長から直接、受領証を受け取りました。この取り組みは区の要綱で定めたもので、宣誓書はいずれも20歳以上で、すでに2人とも区内に住んでいるカップルなどが提出することができます。区が発行する受領証には法的な効力はないということです。
世田谷区の保坂区長は「小さな一歩だが、この一枚の紙がもたらす力を大きくしていきたい。さまざまな事業者に知ってもらうほか、教育の現場などで理解を深めてもらう取り組みを進め、国の制度を変えることにつなげていきたい」と話しています。

受領証を受け取ったカップルは

世田谷区の保坂区長から「パートナーシップ宣誓書」の受領証を受け取ったのは5組のカップルです。
このうち17年間にわたってパートナーの高野幸子さん(44)と一緒に暮らしているという高島由美子さん(45)は「パートナーの手術の同意をする際も医療機関が家族として扱ってくれなかったり、不動産を探すときに苦労したりさまざまな面で苦労がありました。この証明書があることで、医療機関をはじめ周囲の方たちに少しずつでも理解が広がればと思います。長年一緒に暮らし、いつのまにか本物の家族のようになっていたので、区が自分たちを「家族と同等」と認めてくれたことに感謝しています」と話していました。
また、中川司さん(42)とパートナーの寺井幸也さん(26)は「宣誓をしたことで、ここから何かが始まっていくのではないかという希望を感じています。こうした動きが世田谷だけでなく全国に広がっていってほしいと思っています」と話していました。

社内制度など見直す動きも

同性愛などへの理解が進むなか、企業の間ではいわゆる「性的マイノリティー」の人たちにも働きやすい職場にしようと、社内制度を見直すなどの動きも出始めています。このうち、テレビ通販の「ショップジャパン」を運営する「オークローンマーケティング」は、ことし8月、同性のパートナーがいる社員を対象に社内制度を改めました。具体的には、東京の渋谷区や世田谷区で発行が始まった結婚に相当すると認定する地方自治体の証明書などを提出すれば、異性どうしの結婚と同じように、最大3万円の結婚祝い金や6日間の結婚休暇などを取得できるようにしました。
社内制度を見直す取り組みは外資系企業が先行していて、イギリスの化粧品メーカーの日本法人、「ラッシュジャパン」は、ことし1月から同性のパートナーについて、会社に報告すれば結婚祝い金や結婚休暇、それにパートナーの家族を介護するための介護休暇を取得できるようにしました。また、アメリカのIT企業の日本法人の「日本マイクロソフト」もことし4月から同性のパートナーがいる社員にも結婚祝い金などを支給するようにしました。
こうした社内制度の見直しは、日本企業の間では浸透していないのが実情ですが、「日産自動車」は性的マイノリティーの人たちに対する理解を深めてもらうため、社員を対象にした勉強会を開いています。性的マイノリティーの人たちにとっても働きやすい職場を整備する取り組みは、企業の社会的責任を果たすことや、人材の確保につながるという指摘もあり、日本企業の間に広がっていくか注目されます。

大手通信会社は同性カップルに家族向けサービス

大手通信会社の間でも同性のカップルに対して家族向けのサービスを適用する動きが広がっています。
このうち大手通信会社の「KDDI」は、ことし7月同性のカップルに対して、地方自治体が結婚に相当すると認める証明書があれば、家族間の国内通話が24時間無料になる「家族割」などを利用できるようにすると発表しました。
また「NTTドコモ」も先月、地方自治体が発行する、結婚に相当すると認める証明書があれば、家族間の通話が無料になる同様のサービスを発表しています。KDDI、NTTドコモによりますと、渋谷区の証明書に加え、世田谷区が発行する証明書も対象になるということです。

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