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 東京大と中国・清華大の大学院生たちが議論をする「壁を越える 清華東大長城フォーラム」(朝日新聞社共催)が23、24日の2日間、北京郊外の「万里の長城」近くで開かれた。「スマートアジア」をテーマに日中の学生ら29人が、メディアや最新テクノロジーを駆使して人と情報の行き来が盛んなアジアをこれからどう築いていくかを英語で発表、討論した。同フォーラムは日中の将来を担う若い世代が議論を通じて相互理解を深める試みとして2011年11月に始まり、今回が3回目。

■多様なアジア、築くには

 人と情報が盛んに行き交う多様なアジアをどうやって築くか――。「スマートアジア」をテーマに東京大と中国の清華大の大学院生たちが2日間、意見を交わした。東大の学生18人のうち10人は中国、台湾、イスラエル、シンガポール、カナダの留学生。顔ぶれも実に多様で活発な討議となった。

 中国から東大に留学中の安琪さんは、日中の緊張を和らげる手段として「パブリック・ディプロマシー(公共外交)」の重要性を訴えた。

 安さんは「政府の関与度合いが強い教育と、メディア報道を通じて日中間で多くの誤解が生み出されてきた」と指摘。公共外交は対外的なイメージ向上を目指す外交で中国をはじめ多くの国々が力を入れ始めているが、安さんは、政府側からの一方通行ではない「市民との双方向性」と、通常の外交とは距離を置いた非政府組織などの関与の必要性を説いた。

 清華大の王朝陽さんは軍事力などに頼らないソフトパワーの重要性をふまえた上で、「アジアのメディアは世界にもっと打って出て『アジアの声』を発するべきだ」と主張した。日中韓ともメディアが発達しているにもかかわらず、「アジアは依然として欧米メディアの消費者であって発信者ではない」と指摘。アジアのメディアが世界の市場に通用するよう、信頼度とブランド力の向上に向けて各国が協力してはどうかと呼びかけた。