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データ偽装のくい70本 同一の施工管理者が担当10月17日 4時24分
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横浜市のマンションで建物を支えるくいの一部でデータが偽装されていた問題で、くいの工事を請け負った旭化成建材の前田富弘社長は、データが偽装されていたくいは合わせて70本に上り、いずれも同じ機械のオペレーターと現場の施工管理者が担当していたことを明らかにしました。
旭化成建材の前田社長は16日夜、住民説明会に出席したあと記者団の取材に応じ、「住民の方にご迷惑をおかけし、大変申し訳なく思っている。施工不良、データの改ざんに関して、責任は重大だと受け止め、住民の方に安心して住んで頂けるように誠心誠意努めていきたい」と述べました。
そのうえで前田社長は、くいが強固な地盤に届いていなかったものや、セメントの量が改ざんされたものを合わせると、データが偽装されたくいは70本に上り、いずれも同じ機械のオペレーターと現場の施工管理者が担当していたことを明らかにしました。
さらに前田社長は「現場の施工管理者から20時間余り事情を聴いたところ、データの資料を紛失するなどしたことから別のデータを使ったと話しているが、少なくとも必要な深さまで達していなかった8本のくいについては、施工不良を隠すためにやったのではないか」と述べ、意図的にデータを偽装していた可能性があるという認識を示しました。このため前田社長は、外部の第三者機関に調査を依頼し、改めて詳しい経緯について調査を進める考えを示しました。
そのうえで前田社長は、くいが強固な地盤に届いていなかったものや、セメントの量が改ざんされたものを合わせると、データが偽装されたくいは70本に上り、いずれも同じ機械のオペレーターと現場の施工管理者が担当していたことを明らかにしました。
さらに前田社長は「現場の施工管理者から20時間余り事情を聴いたところ、データの資料を紛失するなどしたことから別のデータを使ったと話しているが、少なくとも必要な深さまで達していなかった8本のくいについては、施工不良を隠すためにやったのではないか」と述べ、意図的にデータを偽装していた可能性があるという認識を示しました。このため前田社長は、外部の第三者機関に調査を依頼し、改めて詳しい経緯について調査を進める考えを示しました。
473本中70本がデータ偽装
工事を請け負った旭化成の子会社の旭化成建材などによりますと、横浜市都筑区の4棟のマンションでは合わせて473本のくいが使われ、このうち70本でデータの偽装が行われていました。くいが強固な地盤に届いているかどうかを確かめるデータが改ざんされていたのは合わせて38本で、このうち6本は実際には強固な地盤に届いておらず、2本は強固な地盤に打ち込む深さが不足していました。強固な地盤に届いていない合わせて8本のくいは、いずれも同じ建物のくいで、この建物では最大で2センチ程度の傾斜が見つかっています。
また、45本についてはくいを打ち込む工事の際に、先端付近のセメントの量のデータが改ざんされていました。いずれも、強固な地盤には達していたということですが、セメントの量が不足している可能性があるということです。
偽装がおこなわれたくいのうち13本は、2つのケースでともに改ざんが行われていて、偽装が行われたくいは、マンション全体で合わせて70本に上ります。
また、45本についてはくいを打ち込む工事の際に、先端付近のセメントの量のデータが改ざんされていました。いずれも、強固な地盤には達していたということですが、セメントの量が不足している可能性があるということです。
偽装がおこなわれたくいのうち13本は、2つのケースでともに改ざんが行われていて、偽装が行われたくいは、マンション全体で合わせて70本に上ります。
旭化成建材“施工管理者が意図的に改ざんか”
くいの工事を請け負った旭化成建材は、現場の施工管理者が意図的にデータを改ざんした可能性があるとみています。
旭化成建材によりますと、今回データが偽装されたくいは70本に上り、いずれの工事も機械のオペレーターと、「現場代理人」と呼ばれる現場の施工管理者の同じ2人が担当していました。オペレーターは機械を動かし、施工管理者はデータを確認する役割でした。
施工管理者は会社の調査に対し、「データを取り忘れた」などと説明し、ほかのくいのデータを流用したことは認めているものの、「くいは『支持層』と呼ばれる強固な地盤に達していなかったことはない」などと主張しているということです。
しかし、実際には8本のくいが強固な地盤に届いていなかったことから、施工管理者は届いていないことを知りながら、この事実を隠すために意図的にデータを改ざんした可能性があるとみています。
一方、この施工管理者は15年ほど勤めているベテラン社員で、今回問題が明らかになった横浜市のマンションのほかにも担当した建物があるということです。
今回の問題を受けて、旭化成建材がこれまでのおよそ10年間に手がけたマンションなど全国でおよそ3000棟の建物について、データの改ざんが行われていなかったか調査が行われることになっていますが、旭化成建材はこの施工管理者が関わった建物がどれだけあるかについては、現在調査中だとしています。
旭化成建材によりますと、今回データが偽装されたくいは70本に上り、いずれの工事も機械のオペレーターと、「現場代理人」と呼ばれる現場の施工管理者の同じ2人が担当していました。オペレーターは機械を動かし、施工管理者はデータを確認する役割でした。
施工管理者は会社の調査に対し、「データを取り忘れた」などと説明し、ほかのくいのデータを流用したことは認めているものの、「くいは『支持層』と呼ばれる強固な地盤に達していなかったことはない」などと主張しているということです。
しかし、実際には8本のくいが強固な地盤に届いていなかったことから、施工管理者は届いていないことを知りながら、この事実を隠すために意図的にデータを改ざんした可能性があるとみています。
一方、この施工管理者は15年ほど勤めているベテラン社員で、今回問題が明らかになった横浜市のマンションのほかにも担当した建物があるということです。
今回の問題を受けて、旭化成建材がこれまでのおよそ10年間に手がけたマンションなど全国でおよそ3000棟の建物について、データの改ざんが行われていなかったか調査が行われることになっていますが、旭化成建材はこの施工管理者が関わった建物がどれだけあるかについては、現在調査中だとしています。
専門家「被害早めに把握し対策を」
建物の基礎の構造に詳しい東京工業大学大学院の時松孝次教授は「今回のように地面に開けた穴に、あとからくいを埋め込む工法の場合、くいと周囲の地盤との密着の度合いを高めるために、くいの先端部にセメントを注入してしっかり固定する必要がある。今回はくいが固い地盤に達しているので、セメントの量がある程度入っていれば、固い地盤に達していないくいに比べて影響は小さいと考えられる。ただ、地中のかなり深い場所なので、データが残っていないとセメントがどの程度入っているか調査は難しいのではないか。建物に生じている傾斜や沈下などの被害がどのようなものかを早めに把握し、それに応じた対策をとることが必要だと思う」と話しています。