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戦場で美術品守った男たちが映画に10月15日 15時14分
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第2次世界大戦中のヨーロッパで、数々の美術品が破壊の危機にひんしました。今から70年以上前、これらの美術品を文字どおり、命をかけて守り抜いた人たちが実際にいました。そんな彼らの活躍を描いた映画『ミケランジェロ・プロジェクト』が来月公開されます。今の私たちに美術品を守るために本当に命をかけることができるものでしょうか。実際に美術品のために戦場に赴いた人たちを取材した原作者にその考えを聞きました。
戦場で美術品守った男たち
映画『ミケランジェロ・プロジェクト』の舞台は第二次世界大戦中のヨーロッパです。ナチス・ドイツは、芸術愛好家でもあったヒトラーの命令により、侵攻した国々から貴重な美術品を略奪していきました。その数は数百万点とも言われていますが、正確な数は分かっていません。貴重な美術品が破壊の危機にひんするなか立ち上がったのは、美術館の学芸員や彫刻家など芸術に詳しい人たちで構成される「モニュメンツ・メン」と呼ばれる7人の男たちです。芸術に明け暮れ、銃や武器を手にしたこともないという中年の男たちが、美術品を守るという特殊任務を受け、初めて戦地に赴き、命懸けで戦場を駆け回ります。
美術品を命をかけて守る価値は
「モニュメンツ・メン」は実在しました。映画で描かれるのは、最初に戦地に赴いたアメリカ人を中心とするメンバーです。映画の原作者、ロバート・エドゼルさんは、およそ20年前から、モニュメンツ・メンに関心を持ち、本人たちから話を聞くなどして記録をまとめてきました。
「歴史上最も破壊的な戦争で、なぜこれだけ多くの芸術品が残ったのかと考えたのです。誰が守ったのかと。モニュメンツ・メンは立派な仕事を持ち、社会的地位も築き、人生を確立している人々です。そうした順風満帆な人生を捨ててまで、どうして文化財を守るために戦争に参加していたのか。彼らの芸術への忠誠心と偉大な業績に魅了されました」(ロバート・エドゼルさん)
しかし、命をかけてまで、美術品は守る価値があるものなのでしょうか。
「実際にモニュメンツ・メンも2人が美術品を守るため命を落としています。私には22歳になる息子がいます。もし彼が、ただ単に芸術品を運びだそうと燃え盛る建物に飛び込み、命を落としたならそれは愚かな行為です。しかし、その芸術品が今の私たちを形づくってきたものであれば、命を懸けて守る価値が十分にあると思うのです」(ロバート・エドゼルさん)
「歴史上最も破壊的な戦争で、なぜこれだけ多くの芸術品が残ったのかと考えたのです。誰が守ったのかと。モニュメンツ・メンは立派な仕事を持ち、社会的地位も築き、人生を確立している人々です。そうした順風満帆な人生を捨ててまで、どうして文化財を守るために戦争に参加していたのか。彼らの芸術への忠誠心と偉大な業績に魅了されました」(ロバート・エドゼルさん)
しかし、命をかけてまで、美術品は守る価値があるものなのでしょうか。
「実際にモニュメンツ・メンも2人が美術品を守るため命を落としています。私には22歳になる息子がいます。もし彼が、ただ単に芸術品を運びだそうと燃え盛る建物に飛び込み、命を落としたならそれは愚かな行為です。しかし、その芸術品が今の私たちを形づくってきたものであれば、命を懸けて守る価値が十分にあると思うのです」(ロバート・エドゼルさん)
最も大きな脅威は無関心
今なお世界各地では、紛争や戦闘が繰り返され、貴重な文化財や美術品が次々と破壊されています。モニュメンツ・メンを描いたこの映画は今、何を問いかけているのでしょうか。
「私たちの文明社会が直面する最も大きな脅威は、無関心かもしれません。文化財が破壊されたり盗まれていることはひと事ではないのです。映画を見た人に悲惨な戦争の時代にあっても、崇高な任務を背負っていた人たちがいたことを知ってもらい、今の私たちに何ができるのか、考えてもらうきかっけになればと思っています」(ロバート・エドゼルさん)
「私たちの文明社会が直面する最も大きな脅威は、無関心かもしれません。文化財が破壊されたり盗まれていることはひと事ではないのです。映画を見た人に悲惨な戦争の時代にあっても、崇高な任務を背負っていた人たちがいたことを知ってもらい、今の私たちに何ができるのか、考えてもらうきかっけになればと思っています」(ロバート・エドゼルさん)