10月14日は焼きうどんの日です。
福岡県北九州市で2002年10月14日、静岡県富士宮市の「富士宮焼きそば学会」との対決イベント「焼きうどんバトル特別編-天下分け麺の戦い」が行われ、小倉が焼きうどんの発祥地として有名になったことから制定されました。
正直、「焼きうどん」には、そば界における「焼きそば」ほどの知名度はありません。
しかし、そんな焼きうどんがスポットライトを浴びる日がやってきました!焼きうどんが美味しい店、「お食事の店 さつき」を紹介します。
場所は新宿と大久保の間に位置する小滝橋通り。
緑と白の看板と、店頭にお行儀良く整列した精巧な食品サンプルが目印です。
あ、あった!でも、カレー焼うどん?
どっちつかずな感じが逆にすごく気になります。
果たして味はいかなるものか…いざ徹底解剖するためにお店へ突入です!
店内はメニューの書かれた紙が壁一面に貼られ、昭和の食堂のようです。
極太のうどんとカレールーが絶妙なハーモニーを奏でる
席に座って周りをグルグル見回すと…
ありました!カレー焼うどん。セットメニューは小ライスとサラダから選べますが、ここは迷わず小ライスをオーダー。
炭水化物×炭水化物。うどんめし。この組み合わせ、分かっていても美味しくてやめられないのです。
やがて運ばれてきたカレー焼うどん。目の前にすると思ったよりも大きい!
よーくかきまぜると、熱々の湯気とともにカレーのいい匂いが漂います。麺をすくい上げ、いざ実食。
ズズッと啜ると、勢いよく口の中に飛び込んでくる極太のうどん。
そして、とろりとしたカレーが溢れて喉を滑り落ち、じわじわと五臓六腑に染みます。これはウマい!
ピリリと微かな刺激が後から来る、唾液で広がっていくまろやかさ、ギュッと凝縮された旨味…。
「普通のカレーうどんとあまり変わらないんじゃないの?」という疑念は一気に吹き飛びました。
さらにカレー焼うどんを攻略するための流儀をご必読いただきたいと思います!
これがカレー焼うどんの食べ方だ!
1、まずはうどんを思う存分味わう
まずは空腹を満たすために、焼カレーうどんを一心不乱にかっこむ。しばらくしたら、それぞれの味を確かめるように味わう。
もったり感のある濃厚なカレールー、柔らかでモチッと反発するうどん…。やみつきになりそうなおいしさです。
2、目玉焼きはライスとともにいただく
箸でつっついて溢れ出てきた黄身にめがけて、醤油やソースをお好みで垂らしてみて。
ああ、普段だったらこれだけでご馳走。しばし至福のひととき。
3、ライスと漬物で一休止
焼きカレーうどんと目玉焼きで口の中が幸せでいっぱいになったら、クライマックスを万全の体勢で迎えるために一旦休止。ライスと漬け物で、口の中を総リセットしよう。
そしてまたカレー焼きうどんにループ。あっという間に完食です。
と思いきや、たっぷり残ったカレールー。
ここで我らが日本人のソウルフード・ライスが本領発揮。少し残しておくと大活躍するのです。
4、禁断のライスダイブでカレーライスが完成
茶碗に残ったライスすべてをカレールーの大皿にオン!
濃い味が食欲をそそって、ごはんが進みます。
5、〆はカレーリゾットで決まり
カレーもライスもいよいよ残りわずかとなってきたら、レンゲでよーくかき混ぜてリゾット風にしましょう。
カレーとごはんが渾然一体。染みて汁を吸ったらカレーリゾット風になっちゃいました。さらに食べやすくなって、ラストスパートに拍車がかかり見事完食。
アレンジで味を何通りも変えられるところが焼きうどんの魅力なのです。
2種類のカレールーが複雑な旨味を作る
「お食事の店 さつき」は昭和46年創業の定食屋さん。現在は2代目となる宇津宮 年昭さんが店主を務めます。
ところで、カレー焼うどんはいつから作り始めているんでしょうか?
「いつからだったっけなぁ~数年前からだよ」
カレー好きなお客さんが多いことから、『カレー好きが喜ぶメニューを作りたい』と思ったのがきっかけでカレー焼きうどんを考案したそうです。
それで、何でカレーうどんじゃなくてカレー焼うどんなんですか?
「炒めて焼くことで、麺一本一本にしっかり味が絡まって濃厚に感じるんだよね。焼きそばやラーメンよりもうどんは麺が太いから、より一層満足感も出る」
なるほど。カレー焼きうどんの生い立ちを知ることができました。
「これはうちにしか出せない味です」と誇らしげに話す宇都宮さん。
具材は、キャベツ・ニンジン・ピーマン・玉ねぎ・豚肉の5種。
「これらを塩・コショウ・醤油、そして2種類の調味料で炒めます」
え?2種類の調味料って?
「これだけはひみつなんですよ。でもこの2種を入れないと味が際立たちません」
多くの人が信頼を寄せ、リピーターが沢山いるのは、門外不出の凝ったレシピで美味しさを生み出してるからなのかもしれません。
カレールーはカレー焼うどん専用のものを用意。上にかかっているカレールーは和風ベース、絡めているカレールーは野菜出汁ベースを使っています。だから複雑な旨味なんですね。
目指すところはどこかホッとする長く愛される味。
カレーうどんや焼きうどんとは一線を画す、カレー焼うどんをぜひ食べてみてくださいね。
今回取材したお店
「お食事の店 さつき」
住所:東京都新宿区西新宿7-6-2 JR大久保駅から徒歩約4分
営業時間 月~金 11:30~15:00(L.O.14:50)、18:00~21:00(L.O.20:50)
土 11:30~14:30(売り切れ次第終了)
定休日 日・祝
書いた人
「人と料理の交差点」をテーマに、単なる料理の技術を学んでいただくための教室ではなく、お友達や家族に笑顔を届けてもらえるようなレッスンを展開中。笑顔と歓喜溢れるレッスンには、毎回多くの人が集まる。
HP: https://www.facebook.com/23fanDecookrentoLiaoLinoJiaoChaDian?pnref=lhc
文:23番地cook専属ライター 磯崎 舞(いそざき まい)
言葉の力と写真の演出でスイーツの新たな魅力を引き出す、焼き菓子専門のフォトライターとして活動中。ブログでは主に「絶対にハズさない焼き菓子のギフト」「ご褒美に買いたい焼き菓子」を紹介。グルメの中でもスイーツの分野はお任せあれ♪
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