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フグ取扱登録者不在なのに…てっちりなど提供、「がんこ」4店舗 大阪市が指導
和食レストランチェーン「がんこ」の大阪市内の4店舗で2~3月ごろ、市に届け出たフグ取扱登録者が人事異動などで不在になったのにフグ料理を客に提供していたことが13日、運営会社の「がんこフードサービス」(同市淀川区)などへの取材で分かった。客への健康被害はなかった。市保健所は、大阪府ふぐ販売営業規制条例に基づき同社を指導した。
同条例は、フグに含まれる神経に作用する猛毒「テトロドトキシン」による食中毒を防ぐことなどを目的に、店舗ごとにフグの調理を管理する取扱登録者の配置を義務づけている。
同社によると、4店舗で扱ったフグは仕入れの時点で毒の部位を全て取り除いた「みがき」と呼ばれる素材。後任の調理師もフグの調理免許を取得しており、食中毒は起きていない。
4店舗は、阪急東通り店(同市北区小松原町)▽十三東店(同市淀川区十三東)▽桃谷店(同市天王寺区烏ケ辻)▽難波店(同市中央区難波)。2~3月ごろ、取扱登録者が別の店舗に異動したり、退社したりして不在になった。同条例の規定に基づき、後任の調理師を10日以内に取扱登録者として市に届け出る必要があったが、怠っていた。
4店舗はこの時期、不在となった取扱登録者の名前が記された営業許可証を店内に掲示し、てっちりやてっさ、フグの空揚げなどを提供。6月、情報提供を受けた市が確認し、指導した。
同社の担当者は「人事異動後、届け出変更の手続きが追いつかなかった。今後は速やかに届け出たい」と話している。