もちろん中朝関係が改善の兆しを見せていることについて、韓国はただ警戒ばかりする必要はない。また北朝鮮が4回目の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を見送ったことも幸いだったといえるだろう。もし今回、北朝鮮がこの二つの実験に踏み切り、核弾頭の小型化や弾道ミサイルの大気圏再突入技術の進展を誇示していれば、今後東アジアでどのような事態が発生するか予想もつかなくなるだろう。そのため今回は中国が取りあえず北朝鮮を踏みとどまらせたと考えてよいだろう。
ただ憂慮すべきことは、今回北朝鮮に対する中国の姿勢が変化した時期が、北朝鮮が核兵器開発とミサイル発射を明言した直後であるという点だ。中国はこれまで北朝鮮に対し、緊張を高める行為の自制を重ねて要求し、さらに核やミサイルを含む軍事挑発を行った場合、国連からの厳しい制裁に直面することなどを何度も警告してきた。その中国が今後北朝鮮への対応を本当に見直すのであれば、それは北朝鮮の態度が本当に変わったことを見極めてから行うべきだ。今回、中国政府は北朝鮮から「核実験とミサイル発射は絶対にやらない」という約束を本当に取り付けたのだろうか。この点について中国は韓国を含む関係国に対し、明確に説明する必要があるだろう。
北朝鮮はかつて6カ国協議などを通じて対話に応じるようなそぶりを示す一方で、その背後では核兵器開発と核実験を強行するパターンを繰り返してきた。また2012年には中国共産党政治局委員が平壌を訪問した直後に長距離ミサイルを発射し、中国のメンツは丸つぶれになった。今回も中国に対してはこれまでの態度を改めたかのように振る舞っているが、実際は今後いつ、いかなる形で核実験やミサイル発射に踏み切るか予想もつかない。北朝鮮に対して現実的に影響力を行使できる国は今なお中国しかない。そのため今後中国が果たすべき役割は、核兵器やミサイルだけでは経済発展などできず、また周辺国との関係改善もおぼつかないという事実を、金正恩氏をはじめとする北朝鮮政府にしっかりと認識させることだ。