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「東西2大ラピュタ」のうちの西側代表。坂出人工土地。
ぼくと同じ40歳前後の人にとってのジブリ映画といえば「天空の城ラピュタ」だ。1986年公開。ぼくは中学二年生だった。映画館に見に行った。
いまだに中年たちに絶大な人気を誇り、テレビで放映されるたびにTwitterを困らせることで知られるこの物語。空に浮かぶ人工の島というものに降り立ってみたい、と今でも思う。 なので、降り立ってみた。ラピュタは本当にあったんだ! 板橋区と坂出に。 > 個人サイト 住宅都市整理公団 武器なき天空の城、西台映画の中では「飛行石」と呼ばれる不思議な石が、呪文によって空に浮かんでいるラピュタの方角を光で示す。
たぶん現実に飛行石があったら、二箇所を指すと思う。 そのひとつが板橋区にある団地、都営西台アパート・西台住宅だ。まちがいない。 都営地下鉄三田線・西台駅の横に建つすてきな団地。東日本だと飛行石はここを指します。
なぜこれが「天空の城」なのかというと、なんとこの巨大団地が建つ地面が地面からぐぐっと大胆に持ち上げられているからだ。
ご覧の通り! すごい。
ビルの2階部分に、いわゆる「デッキ」と呼ばれるようなものを渡りめぐらせる、というのはめずらしくない。
この西台はそんなもんじゃない。まさに人工的な地盤の上に建っているのだ。 なんのためにそんなダイナミックなことをしているのかというと、地面レベルを車両基地として使うためだ。 団地の下にレールが並ぶ。なんという光景か。
都営の団地においては、1階部分が都営の保育園だったり都営バスの操車場だったりすることがままある。
そうでなくても、下が商店街という団地は多い。団地とは「小さな都市」なので、何かとハイブリッドになるものなのだ。 しかし、まさか地下鉄とは。はじめて見たときは「そういうのありなんだ!」ってびっくりした。 車両基地を愛でていることで有名なライター萩原さんも、以前「事業母体が同じだからこそ実現できた驚愕のコラボレーション」と驚いていた。 これほど「コラボレーション」の響きに迫力がある例も少ない。軽々しく「コラボ」と略せない重み。
ちなみに、名古屋市にある上飯田団地は、2階部分に高架線路が突っ込んでいくという、団地と高架の駅舎が一体になっているびっくり物件だった。残念ながら2003年に線路と駅は地下にもぐってしまってコラボレーション解消してしまったが。
すごすぎる。
ここの車両基地を見学させてもらうのが夢です。
ラピュタの場合は下部に凶悪な武器がついていたが、ここでは平和に三田線が休んでいる。武器なき天空の城・西台アパート。
「天空の城」感考えてみれば新宿駅などの駅ビルだって、同じように下に線路があって上に巨大なビル、という構成なのだけど、この西台の場合はそのあからさまな「天空の城」感が傑出している。
外観の「持ち上げてます!」という風景もそうだが、いざ島に上陸してもその「天空の城」感がすごい。 ラピュタにも樹がたくさん生えていたが、ここも緑が多い。
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