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【阿比留瑠比の極言御免】
スリランカ首相が触れた「語り継ぐべき歴史」をメディアはなぜ報じぬ
過去の歴史をどう捉え、位置づけるかは、その国が置かれた国際環境や立場によってそれぞれ異なる。スリランカのウィクラマシンハ首相が6日、安倍晋三首相と会談した際のあいさつを通じ、そんな当たり前のことを改めて考えた。この言葉からである。
自己規制の政府
「日本は20世紀初頭のアジアにおける国際的な動き、ナショナリズムの動きについて多くの国に希望を与えたと思う」
これは具体的な事例は名指しはしていないものの、8月14日に発表された安倍首相談話の次の部分と呼応していると感じた。
「日露戦争(1904~05、筆者注)は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」
この部分に韓国メディアは不満や異議を表明したし、ロシアにとっては不本意な記述かもしれないが、紛れもない事実である。
当時、16歳だったインド建国の父、ネールは自伝にこう記している。