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「日本のものづくりを変える「インダストリー4.0」の衝撃」

今さら聞けない、「インダストリー4.0」って何?

凸凹コンビと学ぶ入門編

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2015年10月9日(金)

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 インターネットや流通畑の取材経験が長く、製造業には疎い筆者(飯山辰之介、記者8年目)は今年6月、製造業の取材一筋の先輩記者(佐藤浩実、記者9年目)とコンビを組み、製造業の中でも謎の多い企業として知られる「ファナック」の特集(「黄色は戦いの色、ロボット市場を征服せよ NBO特集:ファナック~最強製造業の秘密」)を組んだ。

 ファナックについてマニア的知識を膨大に抱える先輩記者に振り回され、悪戦苦闘したのも過去の話。ようやく自分の担当分野に集中できるかと思いきや、今度は「インダストリー4.0」と呼ばれる製造業の新しい潮流に引きずり込まれていくのだった。

 「『インダストリー4.0』について解説記事書いて。困ったら佐藤(先輩)に聞け。よろしくねー」。日経ビジネスオンライン(NBO)の編集長からの軽いメールを取材帰りに受け、筆者は戸惑った。「インダストリー4.0」。ここ最近、新聞や雑誌でよく目にする単語だが、正直言って詳しくは知らない。「なんで自分がやるんですか」。編集部に戻り、編集長に真意を尋ねた。

 「どうせおまえは勉強してないだろう。だからおまえが分かれば、どんな人にも『インダストリー4.0』が分かるはずだ」と編集長。小ばかにされている気もしたが、事実だ。何も言い返せなかった。

「4.0は一日にしてならず」

 「改善改良を進めた先にあるもので、レボリューションではなくエボリューションで、『ローマは一日にして成らず』よ」

 「インダストリー4.0について聞きたいんですが」――。書類を前に渋面を作っている佐藤先輩に教えを請いにいくと、予想の斜め上を行く答えが飛んできた。

 実は、先輩は少し変わっている。いわゆる流行り言葉が嫌いで、IoT(モノのインターネット)のことを「イオト」と呼び、ROE(自己資本利益率)を「ロエ」と呼ぶ。「インダストリー4.0」についても、多分懐疑的に見ているのだ。加えて、製造業に疎い筆者が流行り言葉に飛びついてきたとむかついているんだろう。

 先輩は手に持っていた書類を無言で手渡してきた。ある大手メーカーの工場見学会の案内状だ。文面には「IoTやビッグデータを活用」、「最新ICTを導入」、そしてくだんの「インダストリー4.0」など、3文字の英略語やカタカナ語があちこちに踊っている。一昔前の「よく分からないけどイケてるネットベンチャー」の会社紹介文を読んでいるようで、先輩が渋面を作るのも少し分かる気がした。

巷は新語のオンパレード

 「『インダストリー4.0』って夢のようなコンセプトと捉えられたり、ネットにつながることだけを語られたりすることが多いけど、本来はそんなに単純なものじゃないと思う。それに最近は言葉ばかりが独り歩きしていると言うか…」

 やばい。むしろ先輩が独り歩きモードに入り始めた。置いてきぼりにされると面倒くさいことは、ファナックの取材で経験済みだ。「ちょ、ちょっと待って下さい。難しさを理解する前に、そもそもインダストリー4.0が何なのかを知りたいんです。端的に言って、製造業はこれでどう変わるんでしょう?」

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