第3次安倍改造内閣が7日夕、発足した。今回の改造では、麻生太郎副総理兼財務相ら9人が留任するため安定重視との声があるが、実は「ポスト安倍」を狙う人物を要所に配置して競わせるなど、安倍晋三首相に長期政権の余裕と巧みさが感じられる陣容となった。初入閣はプロレスラー出身の馳浩元文科副大臣や、テレビ朝日アナウンサー出身の丸川珠代元厚労政務官ら9人だが、天敵の息子といえる、河野太郎元法務副大臣を起用する「サプライズ」も用意した。組閣の舞台裏を検証する。
■「ポスト安倍」号砲
「新たな体制で新たな課題に臨みたい。結果を出すことで国民の負託に応えたい」
安倍首相は7日午前、自民党役員人事を決定した臨時総務会で、こうあいさつした。その表情は自信に満ちていた。
今回の内閣改造で、安倍首相は、3年後の総裁選を見据えて新派閥を立ち上げた石破茂地方創生担当相と、「ポスト安倍」の呼び声が高い岸田文雄外相の2人を、あえて閣内にとどめた。
石破氏は、側近らが「無役になって3年後の総裁選に備えるべきだ」と忠告し、岸田氏も周囲に「党で仕事がしたい」と漏らしていたことを踏まえると、両氏とも残留しない可能性があった。
それでも、あえて引き留めたのは「寝首をかかれないようにするため」(自民党中堅)との見方もある。
さらに、安倍首相が「女性の宰相候補」として期待している稲田朋美政調会長については、党内の嫉妬を念頭に、党に残して力をつけさせることにした。「地方」「外交」「政策」の枢要ポストで3人を競わせるわけだ。
安倍首相の大叔父である佐藤栄作元首相が、田中角栄、福田赳夫両元首相を、大勲位・中曽根康弘元首相が、竹下登、宮沢喜一両元首相と安倍晋太郎元外相の3人を競わせたのを参考にしたのかもしれない。