韓半島有事、韓国軍の新「防御・反撃」作戦計画の中身とは

 このためOPLAN5015では、北朝鮮が南侵した場合、大規模な米増援軍が来る前であっても、在日米軍などの空母・戦闘機・原子力潜水艦・海兵隊などから支援を受け、直ちに反撃するようにしたという。ここには、北朝鮮の政権や軍の頭脳、心臓、中枢神経を破壊、またはずたずたに断って無力化する、「効果に基づいた作戦(EBO)」という概念も導入された。北朝鮮の弾道ミサイル発射が迫っている兆候があれば先んじてたたくという先制打撃の概念は、OPLAN5027の最新モデルにも一部導入されたが、OPLAN5015ではより積極的に反映されたという。

 特に、有事の際に核兵器使用を決心しかねない金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記はじめ北朝鮮の政権首脳部に対して精密打撃を行う「斬首作戦」の概念を導入し、核・ミサイル・生物化学兵器など大量破壊兵器(WMD)を早期に無力化し、戦争を可及的速やかに終わらせようとしていることも特徴の一つだ。韓国軍の特殊戦司令部(特戦司)、UDT/SEAL、米軍のデルタフォース、ネービーシールズなど、両国の特殊部隊も特殊作戦機や潜水艦に乗って北朝鮮地域に潜入していき、こうした役割を果たすことになる。キム・ヨルス誠信女子大教授は「OPLAN5027が『防御の後に攻撃』という概念だったとすると、OPLAN5015は『防御と攻撃を同時にやる』というのが最大の違い」と語った。

 全面戦だけでなく局地挑発に備えた計画を含んでいる点も、OPLAN5015の特徴だ。朝日新聞は今月5日、OPLAN5015は局地戦やゲリラ戦に重点を置いていると報じた。一部では、OPLAN5015には北朝鮮の内戦など事態急変に備えた計画も含まれるとみているが、韓国軍の消息筋は「含まれていない」と伝えた。このほか、OPLAN5015は、北朝鮮の核・ミサイルに対応する「キルチェーン」と韓国型ミサイル防衛(KAMD)システムの構築を前提にしているといわれ、相当なレベルの国防費増額が必要になるという見方も出ている。

ユ・ヨンウォン記者
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