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[ブリュッセル 6日 ロイター] - 環太平洋連携協定(TPP)交渉が大筋合意に達したことを受けて、欧米間の自由貿易協定(FTA)、すなわち「環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)」交渉も勢い付く可能性がある。
しかしTTIP交渉は現在こう着しており、世界的な自由貿易の動きに取り残されることを避けるため交渉を加速するよう、欧州への圧力が強まりそうだ。
TPP交渉に参加する日米を含む12カ国は5日、米ジョージア州アトランタで開いていた閣僚会合で大筋合意に達した。世界経済のおよそ40%を占める巨大な自由貿易圏の誕生に向けて大きく前進した。
欧州連合(EU)が米国との締結を目指すTTIPは、2013年に交渉を開始。世界の貿易の3分の1、国内総生産(GDP)の半分近くに相当する巨大FTAだ。しかし、交渉は現在行き詰まっている。
ワシントンは、TTIPに本格的に取り組む前に、TPP交渉を決着させる方針だったとみられる。欧州委員会のマルストローム委員(通商担当)は、TPP交渉の大筋合意は良いニュースだとしている。
通商問題に詳しい欧州議会議員のマリエッテ・シャーケ氏は、米国は今後、TTIPに時間と政治的資本を割くことができるようになる、とし、難しい問題の議論を回避する口実はなくなるとの見方を示した。
「TPPはまた、欧州が世界の通商ルールや規範作りを主導するのか、それとも他国に委ねるのか二者択一を突き付けている」と述べた。
欧州国際政治経済研究所ディレクターのホースク・リー・マキヤマ氏は、TPPにより貿易は欧州を迂回し、欧州を犠牲にして米国のGDPが拡大すると指摘。「TTIPをゼロから始める必要がある」と強調した。
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