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[リマ 6日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は6日公表した世界経済見通しで、コモディティ(商品)価格の低迷や中国経済の減速を理由に、世界の成長率予想を7月時点から引き下げた。予想の下方修正は今年2度目。IMFは、需要を喚起する政策が必要と指摘した。
世界成長率の予想は2015年が3.1%、16年は3.6%で、7月時点から0.2%ポイント下方修正した。4月時点からはそれぞれ0.4%ポイント、0.2%ポイントの下方修正となった。
主要国・地域では、米国の15年成長率を2.6%、16年を2.8%と予想。ユーロ圏は15年が1.5%、16年は1.6%、日本は15年が0.6%、16年は1.0%と予想した。
中国の成長率は15年が6.8%、16年は6.3%と予想した。
見通しが特に悪化したのは新興国。コモディティ価格急落を理由に15年の成長率予想を4%に引き下げた。
IMFは「世界成長のリスクは引き続き下向き」としたうえで「中国経済の動向、コモディティ市場におけるリバランスのさらなる長期化、企業バランスシートの対外エクスポージャー拡大、資産価格の破壊的シフトに関連した資本フローの逆転といったリスクを鑑み、新興国や途上国の成長下方リスクは増大した」と指摘した。
米連邦準備理事会(FRB)が利上げを視野に置く一方で、日銀や欧州中央銀行(ECB)については追加緩和観測が出ている。
IMFは金融政策だけでは世界成長を再び勢いづかせることはできないと強調。
「財政的に余裕がある国々が補完的な財政政策を講じて世界経済のリバランスを後押しすることも重要で、とりわけ生産性向上や投資刺激に向けて需要を支援する構造改革が必要」とした。
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