全力感出しすぎた!?
—— 先日は新日本プロレスの大一番であるG1クライマックスでの優勝、本当におめでとうございました! 最後に優勝旗が折れたのは驚きました(笑)。
棚橋 あれはね……自分でもびびりました(笑)。旗の柄を釣り竿に見立てて、大きな魚を釣るようなジェスチャーをしていたら、竿の一点に力がかかりすぎちゃったらしくて……。あんな会場いっぱいの「あ〜〜〜……」って声を聞いたのは初めてでした。僕も頭のなかでは「え、これ、弁償?」ってパニックでしたよ。結局なんとかなりましたが。
—— そういうところもファンを楽しませてくれるというか、「持ってるな」と思いました。そんな棚橋選手、先日2冊目の単著『全力で生きる技術』を刊行されました。今回はどのようなイメージで出されたんですか?
棚橋 前回の『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか』は、新日本プロレス再生の流れを時系列で追った内容でした。プロレスの歴史としても楽しめたと思いますが、“組織論”がテーマになっていたといってもいいかもしれません。それに対して今回の本は、僕“個人”の考え方にフォーカスしています。
—— 前作が組織で今回が個人。
棚橋 そう。ある意味、前作は組織の中で悩んでいる人や組織を変えたいと思っている向け。今回の本は、自分一人でモチベーションを上げたり、環境を変えたりしていくための処方箋です。
—— 『全力で生きる技術』というタイトルからしてもうすごいですよね。棚橋選手のテーマでもある「全力」感があふれてます。
棚橋 全力感出しすぎて、字がものすごく大きくなっちゃった(笑)。
—— 表紙をひらいたところにある見開きの紙が、銀色のミラー紙になっているのもお洒落です。前作は真っ赤でしたよね。
棚橋 そうなんです。前作同様、お洒落に作っていただきました。色々こだわりのアイデアが詰まってるんですよ……こういうのテイソウっていうんでしたっけ?
—— 「装丁」(笑)。
棚橋 大丈夫、“想定”内の間違いです!
—— うまい(笑)。ちなみに、前回のご本を出された時の反響の中で、“想定外”だったものってありましたか?
棚橋 メチャメチャありましたよ。前回の本はタイトルが強烈じゃないですか。『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか』って……俺一人で変えてやったぜ、っていう言い方だと思われても不思議じゃない。だから正直、「お前一人で変えたわけじゃないだろ」という批判も覚悟していたんです。でも実際は、「新日本プロレスの歩みがよくわかった」という肯定的な意見が多かった。あと、「棚橋さんって意外と苦労してるんですね」って言われたりとか(笑)。
—— 棚橋選手が初めてチャンピオンになった2006年当時はかなりブーイングされてましたものね。今では信じられない光景です。しばらくプロレスから離れていたファンとか、最近知ったばかりの人はその頃を見ていませんもんね。ちなみに、苦労していないように見られることって、棚橋選手にとっては良いことですか?
棚橋 はい。苦労は見せないようにしていますし、そもそも苦労だとは自分では思っていませんから。
—— さすがです。では、今回の反響はいかがですか。
棚橋 嬉しい反応をたくさんもらってます。「読み始めたら止まらなかった」とか、「二周目に入ってます」とか。あと、「仕事に活かせる」とか、「すぐ実践できる内容ですね」とか。思った通りのいい反応をもらえているなと、今のところ思ってますね。
—— 棚橋選手といえば、一時プロレスから離れていた古参のファンが戻ってくるきっかけを作ったり、逆に新しいファン層を開拓したりといった、プロレス人気復活の立役者的存在です。ある意味、古い世代と新しい世代両方を相手どって奮闘してきて今に至るわけですけれど、昔と今で、ファンの方の心境の変化など感じますか。
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