グレンコア取引部門は「ブラックボックス」-アナリスト見方二分 (1)
2015/09/29 11:35 JST
(ブルームバーグ):スイスの商品取引大手グレンコアは28日の株価急落で、時価総額の約3分の1を失ったが、時価総額の見通しについては最高980億ドル(約11兆7000億円)から最低260億ドルまでと、アナリストらの見方が分かれている。
サンフォード・C・バー ンスティーンのアナリスト、ポール・ゲイト氏が発表したグレンコアの目標株価は現時点の7倍の450ペンスと、ブルームバーグが実施した予想調査で最高だった。最低は野村ホールディングスの120ペンスで、この予想通りなら時価総額はゲイト氏の予測に基づいた時価総額より720億ドル少なくなる。
アナリストの見方が異なることは、中国経済の成長減速と同社の負債懸念の高まりで苦境に陥っているグレンコアの価値を判断することの難しさを示している。
クラークソンズ・プラトー・セキュリティーズのアナリスト、ジェレミー・サスマン氏(ニューヨーク在勤)によれば、銅価格について見方が分かれていることや大手鉱山会社の中では独特のグレンコアの取引事業をどう評価するかがグレンコアの価値判断を困難にしている。
サスマン氏は「グレンコアの取引事業は競合企業と違って独特であり、『採掘して売却し利ざやを稼ぐ』というように単純にモデル化するのはかなり難しい」と指摘。その上で、グレンコア株の保有を推奨し、株価は190ペンスに上昇すると予想している。「より高値を予想しているアナリストらは、取引事業が過去数年間の水準に戻ると考えている可能性が高い」と述べた。
最も強気の見通しを示したゲイト氏は先週の文書でグレンコアの取引部門について、引き続き「まるでブラックボックスのようであり」、依然として利益を上げていると説明。株価がこれほど下落していることは、破綻のリスクを反映しているとの見方を示した。その上で、グレンコア株の下落は行き過ぎであるとして買いを推奨している。
モーニングスター・インベストメント・サービシズのアナリスト、デービッド・ワン氏(シカゴ在勤)によると、グレンコアの取引事業の利益のうち、ある地域で購入した資源を他地域で売却して利益を狙う裁定取引と、資源を購入して価格リスクを引き受ける方向性取引とが占める割合は不明確だ。
ワン氏は取引部門について「ブラックボックスと呼ぶのが妥当だ。グレンコアは取引量は開示しているが、どのような種類の取引をしているかについては明らかにしていない。あまりにも多くの取引が行われている可能性があるため幾つかのデータにまとめるのは困難だ。その点については透明性はあまり高くない」と指摘した。
原題:Glencore’s Trading ‘Black Box’ Leaves Analysts Split on Future(抜粋)
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更新日時: 2015/09/29 11:35 JST