強気派ストラテジスト2人、ついに屈服-米株予想を相次ぎ引き下げ
2015/09/29 12:02 JST
(ブルームバーグ):米株に強気な見方を示してきたストラテジストのうちの2人が慎重姿勢に転じた。
RBCキャピタル・マーケッツのジョナサン・ゴラブ、カナコード・ジェニュイティ・セキュリティーズのトニー・ドワイヤー両氏は、年末時点の米S&P500種株価指数の水準予想を引き下げた。両氏はこれまで調査対象のストラテジスト21人の中でも最も強気の予想を示していた。世界経済への懸念が広がり、商品相場やバイオテクノロジー株が大きく下げる中、市場関係者の間ではセンチメント悪化を指摘する声が広がっている。
ブルームバーグが実施した調査によると、8月10日以降にS&P500種の年末予想を引き下げたストラテジストは計8人に上る。ストラテジストらの現在の2015年末見通しは2176。8月の早い時期の平均予想(2233)からは2.6%の引き下げとなった。
ゴラブ氏は28日のリポートで、「商品相場(石油)の弱さと世界経済の成長鈍化で、15年の企業利益に圧力がかかっている」と指摘。S&P500種構成企業の今年の1株当たり利益見通しを従来予想の125ドルから120ドルに下げ、S&P500種の相場見通しも2325から2100へと9.7%引き下げた。
ドワイヤー氏は8月24、25日の米株急落を「クラッシュ」と見なしている。同氏は28日のリポートで、1970年以降のS&P500種の14回のクラッシュでは全て、その後に安値を再度試す動きが見られたと分析。今回もそのシナリオが当てはまれば、年末の同指数の水準は2150になるとの見方を示した。従来予想は2340だった。
原題:Two Bullish Strategists Bow to Selloff, Cutting S&P 500 Forecast(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Dani Burger dburger7@bloomberg.net
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更新日時: 2015/09/29 12:02 JST