グレンコアをジャンク扱い、ＣＤＳトレーダーは前払い要求

2015/09/29 08:10 JST

　　（ブルームバーグ）：クレジット市場ではスイスの資源会社グレンコアが既にジャンク級（投機的）格付け企業であるかのように受け止められている。

データ提供会社ＣＭＡによれば、５年物クレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）は実際、デフォルト（債務不履行）の確率が50％余りあることを織り込んだ水準にあり、トレーダーは前払いを要求している。ブルームバーグの集計データによると、債券利回りもジャンク級に匹敵する水準に急上昇した。

ブリーン・キャピタルの社債トレーダー、トム・ボールヒーズ氏は「全く怖い取引だ」と述べ、投資適格級クレジットトレーダーが「損失に対する忍耐を失いつつある」ため、売りが膨らみ価格が下落していると指摘した。

グレンコアは300億ドル（約３兆6000億円）の債務や商品相場の急落といった問題に対処しながら、投資適格級格付けの維持を目指している。中国の景気減速による原材料需要の悪化と価格低迷を受け、グレンコアは債務を約３分の２に圧縮するなどのバランスシート改善策を発表している。

ただ、資源安が続けばグレンコアの株主価値はほとんど無くなるとのインベステックの指摘が嫌気され、28日の市場では同社の株価と社債相場が急落した。

グレンコアの格付けをジャンク級より２段階高い水準としている米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）とムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月、格下げの可能性を示している。

原題：Glencore Treated Like Junk as Traders Demand CDS Payment Upfront（抜粋）

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