石狩データセンターで超電導直流送電開始 19
ストーリー by headless
産直 部門より
産直 部門より
maia 曰く、
石狩超電導・直流送電システム技術研究組合などは24日、さくらインターネットの石狩太陽光発電所から石狩データセンターへの超電導直流送電を開始したことを発表した(プレスリリース、 石狩超電導直流送電プロジェクト、 ASCII.jpの記事、 スマートジャパンの記事)。
送電距離は500m。超電導直流送電では世界最長級の送電距離になるという。送電試験の成功は8月6日に発表されており、今後はデータセンターへの送電を通じて超電導送電システムの通電安定性の検証や将来の実用化のための様々な課題を抽出する。
送電は直流380Vで行われ、石狩データセンターが2013年から本格稼働させているHVDC(高電圧直流) 12V方式の給電システムで直流12Vに降圧してサーバーラックなどに直接供給する。超電導ケーブルは公道の下に埋設されており、新たな配管構造の採用で送電路の熱損失を従来の約半分、液体窒素循環の損失を従来の約4分の1に削減しているとのことだ。
やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:1)
技術開発に投資するなら行き詰まった感のある原発関連より、こういう方面でリードするのが得策だと思う。500m というと変電所からでも現実味が出てくる。
でも超電導直流送電であっても電圧はある程度高くないとダメなんですかね。
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:4, 興味深い)
>でも超電導直流送電であっても電圧はある程度高くないとダメなんですかね。
大電流流すと超伝導状態が壊れるので電流は少なくしないとダメです。(臨界磁場の問題)
石狩太陽光発電所の出力200kWから計算すると500~600アンペアになりますが、送電試験では1500アンペア流している計算なので問題ないでしょう。
問題は……太いアルミ線を使って超高圧送電した方が損失が少なくなる可能性が……冷却コストって結構大きいから。
実証試験だからデータさえとれれば良いのでロスがあっても問題ないのですけど。
現実的な利用法は、建物内のDC48Vラインに超電導ケーブル、
変電所からデータセンタまでが地中ケーブルでの超高圧直流送電、
発電所-変電所間は従来型送電になるんじゃないかと。
(架線での直流送電は1000km以上でないとメリットが薄いので)
>原子力関連技術
30年間原発を運転しちゃったので、技術開発は必須です。
廃炉と廃棄物処理の技術は自力開発しないとフランスあたりに大金をふんだくられるでしょう。
逆に、そういった技術を持っていれば足下を見られずに済みます。
(アメリカはアテにならない:使用済み核燃料を砂漠に放置してる国ですから。ある意味、すごく賢いのだけど……)
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:4, 参考になる)
ググってみて分かったのですが 380V というのは多分 NTT 系が押している HVDC の高電圧側でしょうね。ASCII の記事にも「高電圧直流給電(HVDC)システム」という文字がありますし、380V のままデータセンター内を引き回しているのだと思います。データセンターが変わる、NTTが380Vの高圧直流給電に本腰 [itmedia.co.jp]にあるように DC48V で引き回すのは従来型のシステムで、この検証を含め 380V→12V の組み合わせを押しているのだと思います。
この検証では直流・交流の変換ロスと冷却コストとの比較が問題になるからこそ、太陽光直流発電なのだと思います。比較するときに一回余分に変換ロス分をカウントできますから。
原子力関連技術の技術開発が必須というのは一理ありますが、世界に打って出られるかどうかという観点からすると、太陽光発電周りの方が有望という意味でコメントを書きました。
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:1)
380Vを超高圧(HV)ってのは……桁が2個足りないと思います。
HVの定義がある訳じゃないから、言ったもん勝ちではありますが。
(ブラジルや中国での500kV~1000kVのHVDCと比較して、あれ?って思ってしまいます。)
ただ、ラックに380Vを持ってくるのは御遠慮願いたいです。
AC200Vでも危ないのにDC380Vなんて……しかも極低温……結露して放電しそうで怖いです。
(48Vなら結露しても大丈夫。せいぜい電蝕するくらい)
# 中部大学は、以前、DC48Vでの送電実験をしていましたので、それの超電導版ならありかな?と思ってました。(屋内なら温度管理も共同溝よりは楽だし)
>世界に打って出られるかどうか
価格競争する必要はないんです。
ふざけた価格を提示された時、蹴る余裕があるか?が問題ですので。(そんな価格なら、こっちの独自技術でやるよ、と言えれば十分なんです。)
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:2)
このへん [ntt.co.jp]でしょうか。業界が違うと「普通」が違うのは良くあることです。ネットワーク屋が 100V AC 配線を「強電」と呼びますが、電気屋さんからすると違和感があるそうで。
上の PDF や、Wikipedia [wikipedia.org]にあるように、一応考えられているみたいです。
いや、さすがにラックに引き込むところは超伝導ではないと思いますが。ASCII の記事に「石狩DCでは2013年から高電圧直流給電(HVDC)システムを商用環境として運用しており」とあるように既存の HVDC 設備につなぎこむだけで、データセンター内までこの実験の対象ではないと思います。
Re: (スコア:0)
機材作ってるが分からしても、380Vで引き回すのは色々とコスト高で遠慮したいです。
48Vという数字は、安全性の面もあるのですが、色々なICのコスト的にも意味があります。
平面型のシリコンを使った、ロジックと混載できるICの製造プロセスでは、高耐圧の物で一般的なのは60Vまでです。
このプロセスを使って、安全マージンを取ると、製品仕様として48Vまでってのが限界近くになります。
これより高い電圧だと縦型のシリコンを使ったICになり、普通のロジックと混載できない、ディスクリートICになります。
380Vだと入り口に電源ユニットを別に用意する必要があるので、今の200VのAC-DCと構成は変わらない。
48Vだとパワーマネジメント機能を持ったICを直接接続できるので、待機時やアイドリング時の電力を大幅に減らせる可能性があります。
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:1)
380V DCも、別にラック内のPCとかが直接駆動されるわけじゃないでしょ。
いままで100/200V AC→12/5V DCだった電源ユニットが、380DC→12/5V DCになるだけでは。
待機時電力も、DCにそんなに待機している機器があるんですかねぇ、といったところ。
Re: (スコア:0)
「DC48V→DC12V/DC5V」「AC100V/AC200V→DC12V/DC5V」「DC380V→DC12V/DC5V」の3つがいま出てる比較対象ですよ。
DC380VってAC100V/AC200Vに比べれば市場が小さいから、電源ユニットの規模が同じなら不利でしょう。
DC48Vも市場が小さいのは同じだけど、「電源ユニットのICのコスト効率が高い」というのが元コメの指摘。
> DCにそんなに待機している機器
HDDとか待機系とか結構待機してるのは多そうだし、小刻みな稼働状況の変化は大量にあると思う。
電源ICがそれに対応することでどの程度省エネになるのかは詳しくないのでさっぱり分からんけど。
変圧効率はACよりもDCの方が良いだろうが、電圧は低いほど送電ロスがなぁ…
48Vより380Vの方がロスが小さいのは間違いないが、変圧幅の違いやICの違いがどの程度効いてくるのやら。
Re:超伝導を維持するために必要な「三臨界」 (スコア:0)
臨界磁場の影響もあるでしょうが、臨界電流というのもありまして、ある大きさ以上の電流を超伝導材に流すだけで、超伝導状態が維持されないことがあります。
もうひとつは臨界温度です。これはわかりやすいですね。
発電所の種別はともかくとして、送電技術の革新は非常に重要ですので、今後の発展に期待したいです。でも長距離送電を最終ターゲットにしないとあまりメリットはない気もしますが。もちろん今回はテスト運用ですから全く問題ありませんが。
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:2)
Re: (スコア:0)
揚水とか化学電池系の蓄電システムならともかく、フライホイールは即応型で日数単位の平滑にはならない。
超電導もフライホイールに近い領域だったと思うんだけど、超電導で夜間対応は出来るのだろうか?
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:1)
臨界電流の関係で、超伝導蓄電の能力はフライホイール以下バッテリー以上。電源瞬断だったら超伝導蓄電が有力だとは思うが…
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:1)
送電は発電技術を選ばないだろ...
これだから反原発厨は...
Re: (スコア:0)
「直流変電・送電・配電」周り技術開発案件の山の間違いだろ。
そこに繋がるのが、太陽光(直流発電)だろうと、風力発電(交流発電→整流)だろうと、原子力発電(交流発電→整流)だろうと、大差はない。
但し直流送電・配電は、感電と電蝕で異様に忌諱されている様だが。
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:4, 参考になる)
直流・交流変換のロスを無くそうというのが太陽光直流発電・直流送電・直流給電データセンター(直流対応 UPS と直流対応サーバ)の組み合わせの肝なのに。さくらインターネットの直流給電システムの記事、第6回「『直流給電』は効率的な電力利用の土台となるのか?」 [nikkei.co.jp]にもありますが、
太陽光発電の直流を一度も交流に変換せずに最終消費地のサーバまで送る、というのを検証します、というのが今回のお話でしょ。
Re: (スコア:0)
太陽光発電の直流を一度も交流に変換せずに最終消費地のサーバまで送る、というのを検証します、というのが今回のお話でしょ。
それ(太陽光発電の直流を一度も交流に変換せずに最終消費地のサーバまで送る事を検証)意味のある話?
長距離超伝導直流送電・直流降圧の実証実験なら、電源が交流を整流した物でも実験の遂行に於いて問題ない。
大体データーセンターは、晴天の白昼しか稼働しない物か?
化学二次電池は実用的な蓄電能力には数桁不足があるし、フライホイール電池も揚水発電も、交流発電機じゃないのか?
単なるデモンストレーションだろ。
Re:やっぱり太陽光発電周りは技術開発案件の山だと思う (スコア:3)
> それ(太陽光発電の直流を一度も交流に変換せずに最終消費地のサーバまで送る事を検証)意味のある話?
意味があると思うから、もしくは意味がどの程度あるかを、お金(税金を含む)をかけて検証するんでしょう。こういうもの、特にトラブル発生や維持コストは実際に運用してみなければ分からないところがあるわけで、わざわざ敷地内ではなく公道下を通すのもなるべく実用時に近い形にするため。
実証実験のポイントは「効率」ですが、直流発電・直流送電・直流給電の効率アップ分が、超伝導を使ったときの冷却コストに見合うかどうかも重要なポイントです。単なる送電の実証なら中京大学ですでに行われているわけで、さくらインターネットという営利事業者から見ればなおさら実運用におけるコストの検証は重要なはずです。
データセンターというところは、その性質上送電が乱れても対応できる設備を最初から持っておく必要がありますし、複数の電源を引き込む前提で設計されるわけで、そういう意味では太陽光発電を導入するのに適しているわけです。どうせ複数用意するなら、効率の良いもしくはコストの安いものが使えるときには使えるだけ使い、足りないものは他から補うことができますからね。
Re: (スコア:0)
トータルのシステムとしての検証だろうから意味はあるんじゃないの。
送電の検証だけならストーリーに書かれているとおり8月にもう終わってる。
実運用を想定したミニモデルを組んで検証をするんでしょ。
太陽電池はメインじゃなくて補助的に用いれば経費削減には有効じゃないかね。
どうせDCは複数系統の受電とかするんだから、そこに太陽光発電を混ぜて
実際の経費削減効果を見てみる意図もあるんだろう。
ストーリーにも安定性の検証や課題の抽出が目的とかいてあるし。
ただ、ここでの太陽光発電はあくまで安定した電力供給を前提とした補助的なものであって、
原発政策なんかと絡めて語る性格のものでは無いと思うけどね。
DC向けの太陽電池パッケージができあがるのが最終ゴールじゃないかな。
Re: (スコア:0)