LNG燃料船が増加-天然ガス生産増加と原油価格変動で
2015/09/25 15:50 JST
(ブルームバーグ):米国とカリブ海の間を運航する米海運会社TOTEが8月に就航した全長760フィート(約230メートル)のコンテナ船にはある特徴があった。それは、液化天然ガス(LNG)を燃料とする大型船としては世界でわずか2隻のうちの1隻だということだ。
初のLNG燃料大型船は4カ月前に同じくTOTEによって就航された。
天然ガス生産が過去最高水準に達する一方、排ガス規制が強化され原油価格が変動している局面で、TOTEをはじめ燃料を天然ガスに移行させる船主企業が増えている。船舶の安全認証を手掛けるDNVによれば、世界の全サイズの船舶のうち約70隻がLNGを燃料としており、2年前の42隻から増加している。2020年までに1000隻を超える可能性がある。
TOTEのピーター・ケラー上級副社長は電話インタビューで「供給が潤沢で価格が比較的安定しているため、天然ガスを実行可能な代替燃料源と見なす企業が増えている」と指摘。同時に「海運業界の環境意識は高まっている」との見方を示した。
米バンク・オブ・アメリカ(BOA)が8月21日に発表したリポートによると、米国とオーストラリアからの輸出が増加する一方、中国経済の減速に伴い世界の需要が引き続き低迷していることから、LNG価格は比較的狭いレンジで取引されると予想される。一方、重油の価格変動は海運業界の多くの企業にとって課題と考えられている。
原題:LNG-Powered Ships Gain as Rising Output Answers Oil-Price Tumult(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Christine Buurma cbuurma1@bloomberg.net
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更新日時: 2015/09/25 15:50 JST