今は忙しくてできないけれど、「いつかやる」、「そのうちやる」と思うことがある。小さめのタスクなら「そのうちやる」と思うし、大きめのことなら「いつかやる」と思う。たとえば、前者なら大事な写真や動画の整理をする、重要なファイルのバックアップをとる(手動の場合)など、後者なら、○○の(難しめの)資格を取る、独立して起業するなどだ。
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小さめの「そのうちやる」は、できることがあるかもしれないが、大きめの「いつかやる」は、できないことの方が圧倒的に多い。小さめの「そのうちやる」にしても、実行するまでに困難が伴うことは、経験則からわかるのではないか?なぜ「いつかやる」ができないのか、「いつかやる」を実現するためにはどうすればいいのか?について考えてみたい。
▼ 先送りする心理が働く
期限がある場合は、「締め切り効果」があるので、やれる可能性が高くなる。
大量に残された夏休みの宿題を8月31日に一気に終わらせるなど、締め切りを目の前にして今まで見たことのない集中力を発揮することを“締め切り効果”といいます
出典:http://biz-journal.jp/2014/08/post_5799.html
問題は期限がない場合だ。大事な写真や動画の整理をする、などの小さなタスクでも、期限がないと取り掛かりにくい。とにかくやる気がおこらない…「別に今やる必要はない」と考えるのだ。それは、一か月、二か月たっても同じことである。
大きなことなら、なおさら大変だ。大きなことはバッチサイズ(取り掛かり~完結するまでの1サイクル)が大きいため、始めるときの「大変だと思う気持ち」や「面倒くささ」が半端なく、心理的抵抗が大きいのだ。なので、重要度が高くても期限がなければ、安易に先送りをしてしまう。
▼ 「やることリスト」の上にこない
「いつかやる」、「そのうちやる」と思っていることは、重要度は高いかもしれないが、緊急度が低い。私がいいと考える「やることリスト」に並べる項目の順番は、以下のとおりだ。
なので、重要度が高い項目は、上から3番目より上位にくることになるが、
1)緊急度が高く、重要度も高い
2)緊急度が高く、重要度が中~ ※3)になることがある
3)緊急度が低く、重要度が高い ※2)になることがある
4)緊急度が低く、重要度が中~
~ 実行するかしないかを決めるライン ~
5)緊急度が高く、重要度が低い
6)緊急度が低く、重要度も低い
※2)と3)はケースによって入れ替わる場合がある。6)は問答無用でリストから削除、5)も多くの場合、リストから削除する(実行しない)。
重要度よりも「緊急度」を優先する人の場合は、重要度が高くても緊急度が低ければ、上から4番目になる。重要度が中に落ちれば、実行するかしないかを決めるラインを下に抜けてしまう。これではいつまでたっても、その項目は実行されないだろう。
▼ 対策:「締め切り効果」を使う
まず、先送りする心理を止めるために、「締め切り効果」を使いたい。実際には期限がなくても、自分の中で期限を設けてやる気を起こし、集中力を高めるのだ。たとえば、日々のタスクであれば、カウントダウン・タイマーをスタートさせてから作業を始める。実際にやってみれば、これだけでやる気と集中力が増すのが実感できるはずだ。
タイマーをスタートさせた時点で気持ちにスイッチが入り、「先送りしよう」という心理は霧散する。※ちなみに、普通の時間を加算するタイマーよりも、カウントダウン・タイマーの方が心理的な効果が大きいようだ。
大きなことでも、同じように期限を決めることだ。たとえば、婚活は期限を決めて行った方がいいとされる。
婚活の難しいところは、受験や就職活動のように期限が決まっていない分、あっという間に時間が経ってしまい、この数年間なんとなく出逢いを求めていたけれど、良い出逢いがなかったな・・となってしまう方が残念ながら多いのです(;;)
出典:やっぱり大切なのは期限を決める事
これは、自分に程度なストレスをかけるということでもある。以前の記事で書いたように、
適度な負荷であれば何ら問題はない、というよりも有益だ。努力すれば達成できそうな目標に向かって頑張る、という類のプレッシャー(ストレス)だ。適度なストレス下では、緊張感でピリッと気が引き締まり、生活にも張りがでるのではないか
出典:ストレスの原因は何なのか?
適度なストレスは、「いつかやる」を実現するために必要なものなのだ。
▼ 対策:これまでより、重要度>緊急度 と考える
上で述べた「やることリスト」の話だ。
理屈ではわかっていても(わかっていない人も多いが…)、実際の行動は、緊急度>重要度 をベースにして動く人が多い。「緊急のものを処理したい」という気持ちはよくわかるが、そんなときほど一拍間を置いて、重要度を冷静に考えて優先順位をつけるべきだ。
感情と理性の綱引きになる場合、間を置かずに即断すると、感情が勝ってしまう(時間と感情の強さは反比例する)。なので、あえて間を置いて冷静に考えるべきだ。そうしないと、重要度の高い「いつかやる」を実現することはできない。
▼ 対策:とにかく踏み出してみる
やる気が出なくても、やり始めるとノってきた…という経験があると思う。
今日中に原稿を書かないといけないのに何もやる気がしないとします。そういうときは、とにかくパソコンに向かって文章を書き始める。そうすると側坐核に刺激が与えられ、やる気が出てき、気づいたら集中していた…なんてことになります
出典:http://www.mammo.tv/interview/archives/no095.html
最初のひと押しで、ドミノが倒れていく…というイメージだ。
やる気が出ないからやらないではなく、踏み出していないからやる気が出ない、と考えた方がいい。あれこれできない理由を探して消極的になるよりは、とにかく踏み出してみた方が良い結果になることが多い。
このブログではよく指摘しているが、行動が大事なのだ。
▼ まとめ
今はできないけれど「いつかやる」と思うことがある。しかし、「いつかやる」はできないことの方が圧倒的に多い。なぜ「いつかやる」ができないのか、「いつかやる」を実現するためにはどうすればいいのか?について書いた。
※重要度の低い「いつかやる」は放置してもいいが、重要度の高い「いつかやる」を放置すれば後々後悔することになる。このことは、多くの先人の言葉からも理解できると思う。
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(重要度の高い)「いつかやる」ができない原因は、1)先送りする心理が働く、2)「やることリスト」の上にこない、だ。前者は、期限がないため、とにかくやる気がおこらない…「別に今やる必要はない」と思う心理だ。後者は、重要度を軽視するために起こることだ。
これらの対策は以下のとおりだ。
1)先送りする心理が働く、ことに対しては、「締め切り効果」を使いたい。実際には期限がなくても、自分の中で期限を設けて、やる気と集中力を高めるのだ。適度な(期限による)ストレスは、「いつかやる」を実現するために必要なものだ。
2)「やることリスト」の上にこない、ことに対しては、これまでより、重要度>緊急度 と考えることだ。重要度の高い「いつかやる」をいつまでたってもできない人は、これまで「緊急度」が一番大事だと考えていたのではないか?主に緊急度のみをベースにして優先順位を決めていたのではないか?その考えを改めることだ。
また、とにかく踏み出してみることが大事だ。やる気が出ないからやらないではなく、踏み出していないからやる気が出ない、と考えた方がいい。当初はやる気が出なくても、やり始めると気持ちがノってきた…という経験を思い出してほしい。
やり始めるとやる気が出る、と信じて踏み出してみることだ。