真海喬生
2015年9月19日08時08分
折りたたみ式の従来型携帯電話の出荷台数は、昨年度は1040万台で、7年ぶりに前年度より増えた――。調査会社のMM総研がまとめた資料が、業界関係者を驚かせている。
日本では、NTTドコモの「iモード」に代表される携帯会社独自のインターネット向けサービスにあわせて、メーカーが携帯会社ごとに端末を開発してきた。撮った写真を送る「赤外線通信」や、電子マネーとして使える「おサイフケータイ」など、電話以外の機能を次々とつけた。
だが、2008年の米アップルの「iPhone(アイフォーン)」発売を機に、画面が大きくてパソコンのように使えるスマートフォンに人気が移った。今年3月末で、国内の携帯端末のうちスマホが占める割合は54・1%に達した。従来型ケータイは、独自の進化をとげた動植物が生きるガラパゴス諸島にちなみ、「ガラケー」の呼称が定着。出荷台数は減り続ける、とみられていた。
なぜ、ガラケーがいま、盛り返しつつあるのか。慣れ親しんだ形やボタン操作、長持ちするバッテリーが理由に挙がるが、最大の要因は料金の差だ。MM総研によると、毎月の料金の平均額は、スマホの6342円に対し、ガラケーは2739円と半額以下だ。
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