Updated: Tokyo  2015/09/18 20:12  |  New York  2015/09/18 07:12  |  London  2015/09/18 12:12
 

「中国のゴールドマン」を狙い撃ち-反腐敗運動が金融業界を標的に

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    (ブルームバーグ):中国最大で名門中の名門とされる証券会社、中信証券(CITIC証券)を舞台にしたインサイダー取引疑惑をめぐる調査は、習近平国家主席が本土株急落に見舞われた金融業界を反腐敗運動で狙い撃ちにするとのシグナルだ。

ここ数週間の警察による中信証券幹部への事情聴取が、同社の程博明社長と上級職2人による活動をめぐる規制当局の調査に拡大した。違法な取引慣行の取り締まりに厳しいとは思われていない業界監督当局のこうした動きは異例だ。

中国の金融制度をテーマとした「赤い資本主義」の共著者フレーザー・ハウイー氏はニューヨークから電話取材に答え、「汚職撲滅運動と連動している。真剣に市場を取り締まり、誰もそこから逃れられないということを告げようとしている」と語った。

中国建設銀行の元幹部ポール・シュルト氏によれば、中信証券は「中国のゴールドマン・サックス」だ。同氏は建設銀が2003年に実施した新規株式公開(IPO)を手助けした1人。中国の経済界で良く知られた人物である中信証券の王東明会長は政府による調査の対象とはなっていない。

中信証券の親会社、中国中信集団(CITICグループ)は国内最大のコングロマリットで、中国にとっては世界への窓口だ。同社の事業はインフラから製造業、エネルギー、不動産、金融サービスに及び、香港の証券会社CLSAも傘下に置いている。

国営メディアがはやしたてた今年前半の株価急上昇は、株高を見込んだ信用取引が大きな役割を果たしたが、中信証券も信用取引業務を手掛けている。北京大学のポール・ギリス教授(金融学)は、中信証券をやり玉に挙げることで、政府は株価急落に怒る国民の目をそらす手法を見いだしたと指摘する。

「市場の不正行為に対する法執行の証拠はこれまでほとんどなかった。突然の締め付けは政治的な危機へのお決まりの反応だ。インサイダー取引が市場バブルの原因ではないものの、当局は株価崩壊の責任を負わせる誰かを探している」と述べた。

株価急落の「犯人」捜しの中で、政府は経済誌、財経の記者の1人も標的にした。記者は国営テレビで株式市場に「パニックと無秩序」を引き起こしたことを認めた。財経の王波明編集主幹は上海と深圳の証券取引所創設に寄与し、中信証券の王会長とは兄弟関係にある。王会長と同じように、王波明氏も調査対象として名前は挙がっていない。

原題:Citic Securities’ Trek From Goldman Sachs of China to Scapegoat(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Frederik Balfour fbalfour@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sree Vidya Bhaktavatsalam sbhaktavatsa@bloomberg.net Klaus Wille, Jun Luo

更新日時: 2015/09/18 15:09 JST

 
 
 
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