富士山御殿場ルートの七合四勺(3040m)より。
久々に山で満天の星空を楽しむことができました。
富士山は混んでるからね…
3年程前から夫婦で登山を始めた我が家。まだまだ初心者レベルではありますが、近隣の奥多摩、丹沢エリアから八ヶ岳、たまに南アルプス、北アルプスに足を伸ばしたりとマイペースでの登山を楽しんでいます。
しかしながら実はまだ登ったことがなかったのが富士山。関東近郊に住んでいると特別登山が趣味でなくとも、勢いで登ったことがある人もいる日本最高峰。高尾山の次に富士山に登った、とかそんな無茶をする人もいたりする中、なんとなく我々は「富士山に行こう」という話にはなりませんでした。
というのも「富士山は混雑してる」というイメージが強いんですよね。特に2013年に世界文化遺産に登録されてから富士山の混雑ニュースはよく目にしますし、なにせ我が多摩エリアからもご来光登山のヘッドライトの筋が見えるというレベル…。
御殿場ルートなら空いてるかも?
今年の夏はスイス旅行があったこと、お盆期間に奥さんが体調を崩して山に行けてなかったこともあり、実はGWの涸沢以来山に行ってないという情けない状況。
それならせっかくだし富士山でも行ってみない?という話になったのが夏山シーズンの終了も迫った8月後半。元々、富士山に登るなら主要4ルートの中で最も人気がないという「御殿場ルート」だよね、という話はしていたのですが、それでも「他のルートより若干空いている程度で、シーズン中はそれなりに人は多いのだろう」と想像をしておりました。
(以下の資料を見ても分かる通り、実際はそうでもなかったようですが…)
富士山の全登山者数及び各登山道別登山者数の推移
「報道発表:平成26年夏期の富士山登山者数について(お知らせ)[関東地方環境事務所]:環境省」より
しかし、「シーズン終了間際」「平日」「御殿場ルート」なら結構快適に歩けるのでは?と考え、当初は9/8〜9の予定で御殿場ルート上で9月中でも唯一営業をしている「わらじ館」さんに予約を入れておりました。この計画が台風で潰れてしまったのはこの日記でも書きましたが、せっかくなのでと日程を改めて、奥さんに休みを取り直してもらい、わらじ館さんの営業最終日の前日というギリギリのタイミングで9/11〜12と御殿場口からの富士登山に行ってまいりました。
11日朝は快晴!
11日金曜日の早朝、府中国立ICから中央道〜東富士五湖道路と走って富士山へと向かいます。高速に乗るとすぐ日野あたりから富士山がよく見える最高のお天気。東富士五湖道路の走行中も常に綺麗な夏山富士山の姿が雲ひとつ無い空に浮かび上がっていました。
富士登山の御殿場口は、東富士五湖道路の終点を少し御殿場方面に走ってから、陸上自衛隊の駐屯地方面に右折ししばらく山を登った先にあります。
登山口と登山ルート|登山基本情報|富士登山オフィシャルサイト
富士登山の主要4ルートのうち、3ルートはマイカー規制がされているので、所謂「五合目」まで車で自由に行けるのは御殿場口のみ(富士宮口のマイカー規制は9/10で終わっていましたが)。
そんな御殿場口、どれだけ駐車場に車があったかというと… 第3、第2と全く車の姿がなく登山道に一番近い第1駐車場まで上がってくると…。
お、おう…。
実はこの御殿場ルート、1日前の9/10でルートを管理する静岡県的には一応終了となっているのですよね。実際はルート上の山小屋も営業していて登ることはできるのですが、登山口、ルートによって微妙にタイムラグがあるようです。
そのような時期でもありますので、実際に登る登山客は山岳保険、登山届け、装備などは最低限整えた上で、自己責任のもと入山する必要があります。
また、御殿場ルートは駐車場のある御殿場口とそこから10分程にある大石茶屋を過ぎると、7合目の山小屋まで途中にトイレがありませんので、その間コースタイムにして5時間半のトイレの我慢及び、食料や水をしっかり準備する必要もあります。
「御殿場ルート|登山口と登山ルート|富士登山オフィシャルサイト」より
さて、御殿場口に着いたころにには富士山に雲がかかり初めてしまっていましたが、スタート直前に一瞬富士山の山頂を見ることができました。
いざ、御殿場口
ここが御殿場ルートのスタート地点。右側に見えるのはバス停の待合室。マイカーはもちろんですが、御殿場口までバスで来ることもできます。
10分程で大石茶屋。ここを過ぎると7合目まで営業している山小屋(つまりトイレ)はありません。ここからコースタイムで約5時間半、トイレは大丈夫かしっかり確認しておきましょう。
単独峰で風が常に吹き付けているせいか、一定の標高を超えると極端に植物が少ない富士山ですが、この時期鮮やかなオニアザミの姿をあちこちで楽しむことができます。
山小屋などに物資を運ぶブルドーザー。もっと大型のものも通りますし、御殿場ルートはブルドーザー道と登山道、下山道が各所で交差しているので間違えないように注意。
うーん、この道は足が砂礫にズボズボハマって歩きにくいなぁ…
…と思ったら、うっかり下山道の大砂走りに入り込んでしまったようです。あまりに足下が潜るのでGPSで確認して気付きましたが、御殿場ルートはコース上に看板の類が少ないので気をつけましょう(下山の際もブルドーザー道や砂走りを登ってる人を数組見かけました)。
キャタピラの後があるのがブルドーザー道、ふかふかの砂礫になっているのが下山道の大砂走り。大きなS字で登っていくのが登山道です。
五合五勺を過ぎたあたりで一度雲の上に出ました。標高2000弱、ようやく他のルートのスタート地点の標高といった感じです。
他のルートを知らないのでなんとも言えませんが、この1時間半強の差ならばマイカー利用が可能で人が少ない御殿場ルートは悪くないと思います。というかここに来るまで大石茶屋のご主人とブルドーザーに乗っていた人以外に、登山客の姿を見ていません(笑)
六合目、そして「プリンスルート」とは?
六合目小屋は閉鎖されています。辺りはまたガスってしまいました…。
ここでひと休みして行動食のバナナバウムでカロリー補給。おいしい!
2693mの宝永山が目の高さまできたこの辺りが6合目。正面の登山道は宝永山や富士宮ルート方面になります。富士宮口から登り初めてこちらに廻って途中から御殿場ルートを上るコースは、通称「プリンスルート」。皇太子殿下が2008年に富士登山をした際に歩いたルートということから、この名前が付いたようです。
わらじ館Photoギャラリー プリンスルート
2380mという富士登山ルート中最も高い標高から登り始めながら、雄大な宝永山を眺めながら、一番人の少ない御殿場ルートの途中から山頂を目指すといういいとこ取りのプリンスルート。私も機会があったら次はプリンスルートを歩いてみたいものです。
またまたガスの中を七合目へ
個人的にはこの六合目から七合目までが一番キツかったかな。久々の山歩きのせいか股関節が痛み始めていて、心肺はさほど苦しくないものの足取りがやや重くなっていました。
足下が砂礫からゴツゴツとした大きめの溶岩が増えてきたことで、本当は登りやすくなってるはずが、クッションが効かなくなっていたのかもしれません。
そしてこの辺りからわらじ館のアピールが激しくなってきます(笑)
13時半前にこの日の宿である七合四勺のわらじ館に到着。ここまでバウム休憩を入れて5時間半といったところ。久々の山歩きは正直思ったよりもキツく、もしこのまま山頂まで行く予定だったら、ちょっと厳しかったかも?
七合四勺「わらじ館」
わらじ館へようこそ
御殿場ルートでシーズン中に営業している山小屋はこのわらじ館と、少し登った七合五勺の「砂走館」の2軒のみ。砂走館の方は9/5で一足先に今シーズンの営業を終えてしまっています。
わら時間の寝床。この日はなんと予約は3組(4名)のみということで、ほぼ貸し切り状態。営業最終日の翌日は40人近い予約が入っているとのことで、その直前の平日だとここまで違うのかとビックリです。最終日は小屋番も全員総出となるそうで、恐らくちょっとしたお祭りなのでしょう。富士山初心者には丁度いいタイミングでした。
さて、14時前という時間で山頂にも行かないので、かなり時間を持て余してしまいました。しかもお天気はこの通り…。
とりあえず持ってきた食事でお昼を取りつつ、これでしょう。標高3050m、ちょっと肌寒いですが疲れているので美味しいです。奥さんは以前北岳肩の小屋でビールを飲んで頭が痛くなってしまったこともあり、3000m以上ではアルコールを取らないことに決めたそうです。
時間つぶしにどうぞ、と小屋番の方が色々と雑誌を出してくれました。ありがたいですね。小屋ご自慢のコーヒーを頂きながら、のんびり午後の時間を過ごします。
ほんの一瞬、晴れ間が覗きました。山頂は目と鼻の先… ではなく、もうちょっとありますね(笑) 標高差にして700m強ですので、ちょっとした奥多摩あたりの山1つ分はあります。
カレー夕飯、そして満天の星空
寝床でウトウトしているうちに夕飯の17時になりました。具だくさんのカレーはお代わり自由です。豚肉たっぷりで美味しかったです。
富士山には水場がなく、3000mまで登ってくると水はとても貴重なので(小屋で2L/1000円)暖かいほうじ茶がありがたいです。
外には見事な雲海。日没に際して、晴れていれば影富士なども見られたそうですが、この後雲が出てきてしまいアウト。
19時を過ぎ外は相変わらずの曇り空かなぁ?とトイレに出てみると、すっかり空は晴れて満天の星空が広がっていました。足下には雲海と御殿場方面の明かりで幻想的な夜空が広がっています…。
南の空にはクッキリと天の川が! こんなときに限ってミニ三脚の固定が効かなくなってしまい、溶岩でカメラを斜めに固定してなんとか写真を撮りました。
富士山山頂方面もこの星空。ちょっとソフトフィルター風の処理をPhotoshopで行いました。
これなら、翌日のご来光、そして山頂までの登山も晴れてくれそうです。
ちなみに富士登山ではお馴染み(?)のご来光登山ですが、我々はあまり興味がないのでやりません。何故なら暗い中歩くのは、せっかくの景色が見られなくて面白くないから(笑) それに夜はやっぱり寝ていたいですし、ご来光を見てから日が昇って暖かくなるまで山頂で過ごすのも大変かなー?と。
御殿場ルートは富士山の真東に位置しているので基本的にコース上のどこからでも日の出は見えますので(八合〜山頂の間は見えないという話も?)、当然小屋の前からご来光を楽しむことができるそうです。
御殿場ルートの魅力:富士登山
2015.9.11富士登山 | Flickr - Photo Sharing!
今夏の富士登山には11-22mmを付けたE-M1を持っていきました。広角寄りなので光源を入れるとゴーストがやや出やすいですが、描写は古いレンズとは思えないぐらいクッキリ。これでAFさえもう少し軽快に反応してくれるとありがたいのですが…(E-M1の像面位相差AFでのフォーサーズレンズの動作、これ以上のチューニングは期待できないのでしょうか?)。TG-4も持っていったのでそちらのレビューなどもまた改めまして。
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