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Matthew Gault
[11日 ロイター] - すべてのコンピューターはハッキングが可能だが、車も例外ではない。だが大手自動車メーカー各社は、対策を講じて人々の安全を守るよりも、変化に逆らうデトロイトの伝統に従っているようだ。
ワイアード誌のアンディー・グリーンバーグ記者はこの夏、自分の「ジープ・チェロキー」が運転中にハッカーに乗っ取られることが可能であることを実証した実験について記事を書き、話題を呼んだ。
実験とはいえ、勝手に車のワイパーが作動したり、ラジオからひどい音楽が大音量で流れたり、エンジンが止まったりという数々のハッカーによる仕業にグリーンバーグ氏は驚きを隠さない。
とりわけ車がハッキングに弱いのは、基本となるコンピューターシステムが単純過ぎるからだ。
大半の自動車は「CAN」と呼ばれる比較的原始的な車載ネットワークで動いている。CANはイグニッション(点火)やステアリング、アンチロック・ブレーキなどを制御する高度なシステムを含むあらゆる複雑な操作をコントロールする。
自動車業界は2007年にCANを規格化した。それ以降、多少の違いはあるが、どのような車も概して同じネットワークを搭載している。
自動車メーカー各社は現在、ブルートゥースを活用した車載テレマティクスのような無線通信を装備しているが、それらを制御するのも結局はCANである。通常、ブレーキやエンジンなど重要な部分を制御するCANは読み出し専用であり、車の他のコンピューターシステムはそれを変えることは不可能だ。
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