矯正 | 2015.04.24
歯科衛生士が教える!デンタルフロスの正しい使い方
予防と知識
予防歯科
2015.06.12
デンタルフロスを使っているけれど、正しい使い方があるのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。
歯の間の汚れは、歯ブラシのみの場合では60%くらいしか取り除けないのに対し、フロスを併用すると90%近く汚れを落とすこができます。
フロスには大きく2種類のタイプがあり、それぞれの正しい使い方を解説しますので参考にしてみてください。
1. 糸状のロールタイプと持ち手のあるタイプの違い
ロールタイプと持ち手のタイプでは歯の間の汚れを取ることに関しては違いはありません。違うのは操作性と糸の形状程度ですので、使いやすい方を選ぶと良いでしょう。
ナイロンスポンジタイプ、テープタイプ、一般的なフロス 一般的細めタイプ
ロールタイプはどのタイプもありますが、持ち手タイプは一般フロスと一般細めタイプの2種類が多いです。
1-1. ロールタイプ(糸巻きタイプ)
糸巻きタイプは必要な長さを切り取り指で操作します。毎回、綺麗なフロスを使用することができますので清潔です。しかし、指の操作になりますので練習が必要です。
矯正の装置が入っている人や、歯と歯の間の幅が狭い人にはロールタイプがオススメです。
また、糸の形状が複数あるものロールタイプの特徴の一つです。
1-2. ホルダータイプ(手持ちタイプ)
初めて使う人に操作が簡単なので、おすすめなのがホルダータイプです。また、ロールタイプが苦手な人にもおすすめです。
ただし、ホルダータイプなので、歯と歯の間が狭い人は、一度フロスを入れると抜けなくなることがあり、ハサミで糸を切り取ったことがある人もいるのではないでしょうか。
歯が重なり合っている(叢生)人には、使いにくい欠点もあります。
1-3. おすすめのデンタルフロス
おすすめのデンタルフロスと自分にあった商品の選び方については【もう迷わない!おすすめのデンタルフロスと選び方】をご覧ください。
2. デンタルフロスの正しい使い方
2-1. ロールタイプの場合
2-1-1. 基本の持ち方
フロスを40センチくらい切り取ります。ちょうど手先から肘くらいまで出したら40センチの目安です。
そして、両手の中指に2〜3回ほど巻きつけてピンとはります。そうすると、だいたい15センチほどの長さになり、操作がしやすいです。
2-1-2. お口の中にいれる
お口の中に入れるときは、両手の親指と人差し指で糸をつまんだ状態で操作をしていきます。
2-1-3. 歯と歯の間にゆっくりと入れる
フロスを通したい歯に合わせて、歯と歯の間にゆっくりと小さく左右に動かしながら入れていきます。
歯と歯の間に通していく時に力をいれてしまうと、歯茎にフロスが当たり痛みますので、ゆっくりと小さく左右に動かしながら入れるのがポイントです。
前歯の場合は親指を上手に使用して操作をするとスムーズです。
2-1-4. 汚れを取り除く
フロスが歯の間を通ったら、歯に巻きつけるように沿わせてこすりとるように動かします。
歯の隣り合った両面にこすりつけて汚れを取り除きましょう。
汚れを取ることを意識してフロスを動かしましょう。
2-1-5. 取り出す
取り出す時もゆっくり左右に動かしながら取り出します。
※歯の間が詰まっていて狭い人は無理に上下に動かしながら取り出さず、フロスを巻きつけている一方の手のフロスを外して、外側に引き抜くように操作してみてください。
歯の間が詰まっている人や、矯正装置が入っている人には、ロールタイプのフロスがおすすめです。
2-2. 持ち手のあるタイプの場合
2-2-1. お口の中に入れる
鏡で確認しながら歯並びに沿わせてフロスの糸の部分を当てます。
2-2-2. 歯と歯の間に入れる
ゆっくりと小さく左右に動かしながら歯の間に入れていきます。
この時、力をいれてしまうと、歯茎にフロスが当たり、痛みますので、ゆっくりと小さく左右に動かしながら入れるのがポイントです。
2-2-3. 汚れを取り除く
中まで入ったら、両方の歯の面に糸を沿わせて上下に動かしながら汚れを取り除きます。
歯と歯の間なので、歯の側面に糸を沿わせてこすりとるように動かしましょう。糸に汚れがついてくれば、しっかり汚れが取れています。
2-2-4. 取り出す
ゆっくりと小さく左右に動かしながら取り出します。
上にまっすぐ取りだそうとすると、かえって歯を痛めてしまう可能性があります。焦らずゆっくりと、小さく左右に動かしながら、取り出しましょう。
どうしても歯の間から取り出せなくなった場合は、糸の部分をハサミで切り取って外してください。
その場合は、無理にホルダータイプを使うのではなくロールタイプのフロスを使用しましょう。
3. デンタルフロスは1日1回、夜寝る前に使いましょう
フロスはできれば1日1回使いましょう。おすすめは、時間の取れる夜の歯磨きの時にフロスも一緒にするとよいでしょう。
ライフスタイルに合わせて習慣化するように、まずは1日1回からはじめてみましょう。
4. 血が出ても大丈夫?
4-1. 痛みがなければ大丈夫
歯茎に炎症があると出血する場合があります。その際は痛みがなく出血します。その場合は、1~2週間ほどフロスを続けると汚れがなくなり、炎症も治ると出血しなくなりますので、安心してください。
それでも出血する場合は歯石というこびりついた汚れがついている可能性があります。歯科医院で歯石を取ってもらいましょう。
4-2. 痛みがあれば要注意
歯茎にささってしまい痛みがある時に出血する場合は、歯茎を傷つけている恐れがあります。使い方がわからない場合は無理に使用せず、歯科衛生士に使い方を教えてもらいましょう。
5. 注意点
フロスを通す時は、歯茎を傷つけないようにゆっくりと操作をしましょう。
また、見えにく場所なので、鏡でお口の中を確認しながら使うとスムーズに通ります。
糸がひっかかったり、ほつれたりする場合は歯と歯の間が虫歯になっている可能性があります。毎回、ほつれるようでしたら早めに歯科医院を受診しましょう。
まとめ
フロスには大きく2種類のタイプがあり、その使い方を解説しました。
歯と歯の詰まり具合や使いやすさによって、自分にあったフロスを選んでみてください。また、お口を清潔に保つためにも、1日1回のフロス習慣をおすすめします。
使い方がわからない、一人では心配という方はかかりつけの歯科医院へ遠慮なく相談し、歯科衛生士に指導をうけましょう。
Author: 塚本千草(歯科衛生士)