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 長崎県内の女児(10)が虐待を受けたのに県の児童相談所が適切な対応をしなかったとして、女児が原告となり、県を相手取って50万円の慰謝料を求める訴えを長崎地裁に起こした。

 提訴は7月23日付。女児の代理人で未成年後見人の伊藤岳弁護士によると、女児は2010年4月ごろ、自宅で母親に左肩をライターで焼かれるなどの虐待を受けた。医療機関から連絡を受けた児相は、母親に児相へ通って指導を受けるよう勧めたが、2回目を最後に姿を見せなくなり、11年3月に指導を終えた。

 さらに昨年10月、女児は近所に住む祖母から髪をつかまれる虐待を受けた。女児が通う学校の関係者が虐待を知り、保護が必要な児童について関係機関が情報共有する要保護児童対策地域協議会(要対協)が開かれ、児相に女児の一時保護を求めたが、児相は応じなかった。