子どもと映画を見てみましょう。映画は手軽に新しい刺激や想像力を与えてくれます。映画とテレビが何が違うのかというと、
- 映画のほうが、現実とは全く異なる世界観を見せてくれる
- 映画のほうが社会やものごとについて多面的な見方を提供してくれる
- 映画は「自分で選ぶ力」が必要となる
自分はどんなものが好きなのか、という自己(アイデンティティ)の発達にも関わります。また、好きなことが増えるというのは、人生を豊かにするためにもとても大切なことです(不登校のような状況にある子にとっては特に)。そんなことを踏まえて、今現在の子どもの興味に関連しそうな映画を探してみてください。「幼児〜小学校中学年」編と「小学校高学年〜中高生」編です。
幼児〜小学校中学年
こちらに紹介しているのは、基本的にうちの子ども(4才当時)が見て楽しんでいたものです。大人はストーリーを楽しみ、子どもはアニメーションの動きを楽しむような内容のものをチョイスしました。
ルパン三世はうちの子どもが3才の時にはじめてみて、何度も繰り返し見ていました。わかりやすいドタバタがあったり、潜入していくドキドキ感があったりと楽しめます。大人はルパンの男気に魅了されてください。
言わずと知れた宮崎アニメ。私は臆病な幼児だったのでラピュタは怖くて見られませんでした。なんでわざわざ怖そうな所に自分から行くのか理解できない、みたいな気持ち。今見ると最高です。私の仕事が教育系なので、ムスカ(メガネかけた悪役)はどんな脳のタイプで、どんな家庭環境だったのか、とか想像しちゃいます。
こちらはセリフがほとんどないアニメーションです。トムとジェリーとか昔のミッキーマウスのアニメみたいに、動きや表情だけでストーリーを展開していきます。所々にAppleの成分が含まれていて、お父さんも楽しめます。
映画のドラえもんシリーズは改めて見てみると、とっても社会派な成分が含まれていることがわかります。先日子どもと見た時は社会科見学にもなるなぁ、と感心しながら見ちゃいました。日本誕生では、馬と白鳥の遺伝子(?)を混ぜてペガサスを作るようなくだりがあって子供心にテンション上がった記憶があります。それと映画のドラえもんではお馴染みの食べ物ができる植物も楽しい。
そしてこちらも言わずと知れた名作。ナウシカに惚れた男子は数知れず。崩壊した未来世界という設定も面白い。オウムの怒りは大地の怒り。
そして、実はナウシカはコミック版もあります。映画版の内容というのはコミック番の1巻の内容。あと6巻分の続きがあります。これがまたおもしろいんですよ!人類や巨神兵の秘密に迫っていきます。
最初の10分位は子どもには退屈な内容(ヒーローを引退した男の悲哀)なので、早送りして見せてました。キャラクターたちの動きがとてもかわいいので釘付けになります。
こちらはSFファンタジー。いじめられって子の小学生が、不思議な本の世界に入り込んでいって救世主になってしまいます。犬の顔をした竜や、巨大な石男、他にも色々な面白いキャラクターが出てきます。キャラクターを見ているだけでも楽しめます。
こちらは、全編本物のレゴブロックを動かして作られている映画です。「こんなの作れるんだ!」という驚きに満ちています。
小学校高学年〜中高生
小学校高学年以上になって、少しずつ大人に近づき始めた子どもたちが楽しめそうなものをチョイスしました。映像だけを楽しむこともできるし、ストーリーも作りこまれているものばかりです。「カッコ良さ」とは一体どのようなものなのか?カッコ良く見える裏にはどんな苦労があるのか?そういうことを教えてくれます。
リメイクされたバットマンシリーズの中でも私にとって最高の作品がこちら。メカやテクノロジー、世界観、に男心がくすぐられまくります。自分が汚名を背負っても、街の平和のために戦い続けるバットマンの姿に心打たれます。かっこいいだけがヒーローじゃないんだ。ジョーカーの気が狂った感じもすごいです。ジョーカー役の役者はこの作品の後に亡くなっています。惜しい。
現実ってなんなのかわからなくなるような映画です。 中高生の世界観が変わるかも。不都合な現実に直面した時に、君ならどうする?と鑑賞後に子どもに問いかけたくなるような作品。
こちらはダークナイトの監督の作品。夢の中の世界では想像力が全てに勝る。都市を直角に立ち上げることだってできる。主人公の妻が夢の中で何を考えてどうしたのか、というストーリーは大人にこそ鑑賞してもらいたい(ネタバレになるので詳しく言えないのが苦しい)。
スパイダーマンシリーズは色いろあるのですが、私が見た中で最も良かったのがこちら。「アメイジングではない」スパイダーマンの「2」です。スパイダーマンとしての自分の有能感に溺れつつある主人公という設定が、単なるヒーロー物ではない面白さを見せてくれます。
この作品はいつまでも色褪せない。ものすごい強いはずなのに、それよりさらに強い敵にどんどんボロボロにされていくシュワちゃんの姿が子ども心に複雑な切なさを感じさせてくれたことを覚えています。そしてあまりにも有名な、親指を立てて溶鉱炉に降りていくラストシーン。思い出しただけで鳥肌が立ってしまった。無敵の敵のロボットに追いかけられる緊張感がハンパないです。
主人公のアシタカノミコトが潔くてかっこいい。悪とみなすものを「炎上」させるのではなく、筋を通して正すという、人としての在り方を教えてくれます。
こちらは痛快SFアクション。何も考えないで見れます。主人公とヒロインが未来の世界を冒険してくれて、登場するキャラクターも面白い。ミラ・ジョボビッチの最初の作品ですね。高校生の時にこの作品を見て、彼女にトキメイた記憶があります。
こうしてリストアップしてみると、自分が惹かれるヒーロー観の傾向が見て取れますね。自己犠牲的に突き進む姿に心打たれるみたいです。