北海道大学の先崎理之氏らによる研究グループは、北海道苫小牧地方の湿帯で、チュウヒという湿地性の猛禽類の繁殖成功度を3年間調べ、チュウヒの繁殖成功度が高い湿地を保全すれば、その他の小鳥の繁殖成功度の高い地域も保全できることを明らかにした。
猛禽類の生息地の保全は、最も頻繁に行われる生物多様性保全手法の一つであるが、猛禽類の保全が他種の保全に繋がるのかあまり調べられていないこと、この手法が猛禽類の親鳥にのみに着目し、その繁殖成功度を無視してきたことが問題点となっていた。
今回の研究では、北海道苫小牧地方の分断化された湿地景観で、2012〜2014年にかけてチュウヒの繁殖成功度を調べ、2014年に3年間のチュウヒの繁殖成功度が様々な26の湿地で、その他の小鳥の親鳥と巣立ち雛の個体数を調べた。
その結果、チュウヒの巣立ち雛数の多い湿地ほど、10種中4種の小鳥の親鳥と7種中5種の巣立ち雛の個体数が多いことと、残りの種の親鳥と巣立ち雛の個体数はチュウヒの巣立ち雛数との相関は見られないことが明らかになった。
その結果から、チュウヒの巣立ち雛数を基に小鳥の巣立ち雛数を広域的に予測するモデルを作ることができ、チュウヒの繁殖成功度が高い湿地を保全すれば、いくつかの種の小鳥の繁殖成功度の高い地域も保全できることが明らかになった。また、今回の研究の手法によって、短期間で広域的に多種の巣立ち雛数を調べることが出来るようになった。
猛禽類の中には鳥類を専門に食べる種もあり、そのような猛禽類の生息地の周辺では餌となる鳥類の個体数が少なくなることもある。また、同じチュウヒでも生態は地域によって異なる。このため研究グループは、猛禽類を利用した生物多様性保全を進めるために、様々な地域で様々な猛禽類を用いて今回の研究の一般性を検証することが必要になるとしている。
なお、この内容は「Biological Conservation」に掲載された。論文タイトルは、「The usefulness of top predators as biodiversity surrogates indicated by the relationship between the reproductive outputs of raptors and other bird species」(猛禽類と他の鳥類種の繁殖成功度の関係から示された頂点捕食者の生物多様性の代理としての有効性)。
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