韓国政府高官「北のサイバー攻撃に米は報復、韓国は無策」

「個人情報保護を担当する政府合同捜査チームが、この事件に対応したことからして不適切」

韓国政府高官「北のサイバー攻撃に米は報復、韓国は無策」

 「北朝鮮によるサイバー攻撃への対応が不十分」との指摘が韓国政府の中から上がった。

 イム・ジョンイン大統領府サイバー安全保障特別補佐官は9日、この日開幕したソウル安保対話(SDD)本会議で「サイバー防護と国防協力」(10日に発表予定)と題されたレジュメを配布した。イム氏はその中で、2014年に起こった米国ソニー・ピクチャーズと韓国水力原子力公社への二つのサイバーテロを例に挙げ、米国と韓国によるサイバー攻撃への対応の違いを比較・検討した。

 レジュメの中でイム氏は「米国の対応は迅速かつ効果的なものだった」と前置きした上で「米連邦捜査局は直ちに捜査を開始し、テロの背後に北朝鮮がいることを公表すると同時に報復を行ったとみられ、オバマ大統領も北朝鮮の偵察総局などに対する経済制裁を発表した」と説明した。

 イム氏はさらに「これはその後のサイバー攻撃に対する抑止効果をもたらしたと考えられるが、大韓民国は度重なる(北朝鮮からの)サイバー攻撃に対し、一度も効果的な対応を取ることができなかった」「韓国水力原子力に侵入したハッカーは、2015年7月の『大韓民国情報保護の日』に、これをあざ笑うかのように再びサイバー攻撃を再開した」などと指摘した。

 イム氏は「中国など周辺国との協力が必要な事件だったことを考慮すると、個人情報保護が主な仕事であるはずの政府合同捜査チームが事件を担当したことは、最初から不適切だった」と結論づけた。

 イム氏は今後の対策として▲サイバー攻撃に対する対応力と捜査力の強化ならびに先制的防御のための攻撃力の確保▲アジア太平洋地域におけるサイバー安全保障協力の強化-などが必要であると強調した。

 イム氏は本紙との電話インタビューで「サイバー攻撃に対抗するわれわれの力量については、大統領府国家安保室にサイバー安保秘書官を設置することや、法律の整備などによって、今もこれを高めるための努力が行われている」と説明し「国際的な協力体制を強化するためには、米国との協力に加え、中国との関係強化や国連での活動の活発化など、外交面で一層の努力を傾けなければならない」と訴えた。

崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
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