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[東京 10日 ロイター] - 政府は、日本郵政グループ[IPO-JAPP.T]の新規上場(IPO)を契機に個人金融資産の証券市場へのシフトに向け、起爆剤にしたい考えだ。国内販売分は95%を個人向けに販売する方針で、NISA(少額投資非課税制度)枠内での購入もできるようにした。
新たな個人投資家層の開拓を期待し、銀行窓口での販売チャネルも確保。ただ、足元では株式市場の異変が進行中で、想定通りに進むかどうか予断を許さない。
<成長余力乏しく、機関投資家は敬遠>
日本郵政の発表によると、グループ3社の売出総額は1兆3875億円を見込む。国内外の販売割合は国内8割、海外2割。国内分のうち95%を個人を中心としたリテール向けに、5%を機関投資家向けに売る。
通常のIPOでは、国内向けのうち、リテールが8―9割を占めるケースが多く、95%という郵政のケースは、個人投資家に重点を置く異例の扱い。
この背景には、機関投資家が、日本郵政株に対し冷めた目を向けていることもあるようだ。
郵便、銀行、生命保険の集合体となる日本郵政グループの収益は、少子・高齢化が進む国内市場に依存しており、大きな成長は見込めないのが実情だ。
ある大手生命保険首脳は「郵政グループは成長の魅力が乏しく、キャピタルゲインは望めない。機関投資家としては、保有できない」と言い切る。当然、主たる販売先は個人投資家にならざるを得ない。
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